第924話 ドミ&ヲルの任務遂行と(仮)地獄の力の凄さ!
デストロイが、ローブの男と相対している頃、ヲルガンとドミニクは、人が囚われている檻に向かって駆け出した。ローブの男は、ヲルガンとドミニクに一切関心がないのか、あっさりとスルーして横目で見るだけだった。
「俺達には目もくれないか!ちーとばかし寂しいが、今は好都合だな。ドミニク、あのレイス共を叩き潰してやれ!」
「任せろ!デストロイさんが、俺達のためにくれた力、存分に奮ってやる」
ドミニクは、ハンマーを振り被って一気にレイスを薙ぎ倒す。ハンマーに当たったレイスは、黒い霧状になり消えた。
「スゲェ!ハンマーの威力も上がったが、あのレイスがなすすべなく消えたぞ」
「スゲェのは見る前からわかってるだろ?それより、さっさと残りのやつを倒せ!後ろは、俺に任せろ」
地獄の力が加わったハンマーに驚きと喜びを見せるドミニクに注意をしたヲルガンは、後ろから迫るレイスの攻撃を大盾で受け止めてから、大盾で殴り飛ばす。
「あぁ、俺はヲルガンに背中を任せて暴れ回るぜ!うぉりゃぁぁぁぁ」
ドミニクは、ヲルガンの頼もしさを改めて肌で感じると、レイスに突っ込み薙ぎ払う。
そして、ヲルガンもドミニクの背後を取ろうと襲いかかるレイスを大盾でパリィしながら大盾を前に構えて、装甲された暴走機関車のように敵に突っ込んで吹き飛ばして消滅させていった。
「デス兄貴の力はやべぇな!あれだけ恐怖したレイスが塵の如く消えて行くぜ!それに、この盾を構えてるだけでデス兄貴に包み込まれてるみたいで安心するな」
包み込まれているという少し男同士の怪しげな話になりつつあるが、やっていることはレイス狩りなので、全然雰囲気にそぐわないのだ。
「ヲルガン、檻の周りは全滅させたぞ!そっち......随分楽しんでるな。じゃあ、俺はヲルガンが終わる前に檻を破壊して逃がすか」
ドミニクは、ヲルガンの楽しんでいる様子をしり目にハンマーを担いで檻へと向かう。
そして、檻に着くと囚われた人に離れるように言って檻の奥に向かわせた。
「今からぶっ壊すが、大人しくしてろよ。まだ、どこにレイスがいるかわからんからな」
ドミニクは、檻の中にいる人に注意したあと、ハンマーを振り上げて檻に一撃を与えた。すると、格子が人のいない場所に吹き飛んで、囚われた人は思わず悲鳴を上げてしゃがみ込んだり、その場で固まってしまう。
「今から逃がすが、俺の言うことを聞いて、ゆっくりついてこい。それから、行く前に手の空いてるやつは倒れてるやつを運んでやってくれ」
「こんなやつらを運んでたら逃げ遅れるだろ!俺は、殺されたくない!」
囚われていた男は、恐怖と自己中心的な考えで、倒れた人々を見殺しにして走り去っていった。そして、この男と同じ考えの人々もいたようで数人が檻から走り去って行く。
「はぁ〜、バカなやつらだな。お前らも、逃げたければ好きにすればいいが結果は、あ〜なるな」
走り去っていった人々は、どこからともなく現れたレイスによって狩り尽くされていった。
残った人々は、何も反抗することなく、倒れた人をすぐに担ぎ上げてドミニクの前に勢揃いした。
「おい!お前ら、邪魔になるから、さっさと行くぞ!ん?そう言えば、ヲルガンはまだか?って、デストロイさん!?」
ドミニクは、囚われた人々を連れ出して、なかなか来ないヲルガンを探すと、見たことのない苦悩の表情を浮かべたデストロイが膝を突いてピンチになっている瞬間であった。
◆
ヲルガンは、大盾でレイス達をしばき回っていると、デストロイが10体のレイスに襲われていたが、なんなく消滅させている瞬間を目にした。
「デス兄貴は、流石だな。瞬殺してるぜ。俺も負けてられないな」
ヲルガンは、デストロイに力を貰っていながら、瞬殺出来ていない不甲斐なさを感じて、負けてられないとやる気を出してレイスを消滅させていく。
「これで、レイスは粗方消滅させたな。ドミニクも、牢屋を破壊したようだし、俺も.....デス兄貴!?」
ヲルガンは、レイスを消滅させて、ドミニクの方を見て一息ついていると、何か嫌な予感を感じてデストロイのいる方向を見た。すると、最強のはずのデストロイが片膝を突いて立ち上がれないでいた。更に、ローブの男が、大量のレイスを出して襲わせようとしているのだった。
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