episode2 遭遇と確信
そろそろ歩き始めて1時間、同じ景色が続いている。
「そろそろ人と出会っても良いと思うが……」
ガサガサッ
「誰だ!?」
ガサガサッ
「ケケケケケケケ」
「ゴ、ゴブリン!?」
SRWと似ている容姿と声の為直ぐに分かった。
ゴブリンの手には木の棍棒が。
しかし、俺の手には何も無い……
逃げるしかない。
「グォォォォ」
ゴブリンが走ってくる。
「戦略的撤退だ!」
俺はとりあえず走りながら、ゴブリンも注視する。
何かおかしい、ゴブリンの走り方がSRWと酷似している。
まさかここは……
なら〝弱点〟も同じはずだ。
一か八か、掛けるしかない。
俺は立ち止まり、振り返る。
「グオオオ!」
ゴブリンは直ぐに近づいてきて、棍棒を振りかざす。
「掛かったな!」
このタイプのゴブリンは知性が乏しいため、簡単に打撃は避けられる。
「おらよっ!」
ドコォ
ゴブリンの肋骨の下、
「グワァァァァッーー」
ドサッ
ゴブリンは地面に倒れ込み、悶える。
俺はゴブリンから棍棒を奪い取る。
「終わりだ」
ドカッ
「ッ……」
ゴブリンの頭を潰し、殺した。
ゲームの時より、鈍い感覚が響く。
「そういえば……」
ゴブリンの弱点である鳩尾、SRWと一緒だった。
見た目から言動、弱点までここまで同じとなると……まさかここはSRWなのか?
いやいや、何を考えているんだ俺は。
そんなはずが無いし、それならゴブリンの死体が消えてドロップ品が出てるはずだ。
「ウッ……グワァァァァ」
「!?」
ドカッ
あ、危ない。
ゴブリンがまだ生きていた。
あと少し反応が遅れれば、腹を噛まれていただろう。
ホワァン
「マジかよ……」
死体が消えて、小刀がドロップされた。
SRWでは、ゴブリンのレアドロップ品は小刀だ。
間違いない、ここはSRWだ。
正確に言うとSRWと似た世界、といった所だろう。
ここがSRWと全く同じであれば、レベルが上がるはずだ。
いきなりレアドロップを入手できるとは、俺もついてるな。
何故俺がこの世界に来たかは分からないが、SRWと似ているならラッキーだ。
まずは始まりの村を目指そう。
俺はまた道を歩き始める。
セカンド・リアル・ワールド 狂犬(ᐡ ᐧ ﻌ ᐧ ᐡ) @Kyouken-syousetu
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