第14話

「 私、魔子と言います。起きてください! お話があります 」


声をかけても、一向に起きる気配は無い不良の人。


そうか、よく見たらこっちは頭、聞こえてないのでしょう、反対側に行って呼べば起きてくれるでしょうか


「 すみません 起きてください! 」


熟睡しているのかなぁ…


「 すみません!起きてください! 」


この人、まったく起きない、かわりに今の声でクラスメイト達は騒ぎ始め、視線が私に集中してしまった。


ガヤガヤガヤと 噂が交じったみんなの声が聞こえてくる…


〈 マジうぜえなこいつ…ひとが寝てんのに ブツブツ… 〉


? え ?


今、確かにはっきりと聞こえた!…


ひとが寝てんのにって…


誰ですか?


クラス中見渡してもそれらしい人はいない。


寝ているのは私が声をかけていたこの人だけ。


けれど、この人は寝ている。


でも声が聞こえた。しかも、はっきりと。

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