第180話
「どちら様でしょうか?」
今日も今日とてチュートリアルの森に来ている。と言うのも今日農地で米が収穫されるひだから、早速味を見ていようということでチュートリアルの森に来ている。
お米は既に自動収穫されて、水田に新しい稲が植えられている。
収穫BOXを開くと中には収穫だけでなく精米までされたお米が袋詰めされた状態で入っていた。
本来収穫したあと乾燥させたりとかあった気もするけど。成長速度の時点で普通じゃない農地だし、そこら辺考えたら負けだ。
凄い便利って思っておけば問題ない。
そんな農地の出鱈目さを再確認するような出来事だったけど、正直そんなことどうでもいいレベルの事態が起きている。
俺の許可がない人以外に来れないチュートリアルの森に暖色系の立派な孔雀がいる。
正直、俺の許可とかは関係なく突破できそうな気もするけど。シロナさんの結界を突破するなんて有り得る?神様だったらワンチャンあるのかな?
ってことはあの孔雀は神様?この平原フィールドは魔物だけじゃなくて、生き物がポップしないようになっているから、チュートリアルの森でポップした野生の魔物や生き物ってことはないだろうし。
「何を巫山戯ているヒロキよ。神獣たる不死鳥の我が新米を評価してやろうと言っているのだぞ?早く米を炊かぬか」
不死鳥様!?確かに赤を基調にした暖色系の鳥だったけど、不死鳥様の姿、雀でしたよね?
絶対こんなに立派な孔雀じゃなかった!!
「ヒロキよ。我は神獣ぞ?姿ぐらい帰られる。いつもの姿は現世で騒がれないように変身している姿。我の真の姿はこちらだ。チュートリアルの森でなら周りに配慮する必要もないのでな。こちらの姿で居させて貰っておる」
なるほど。確かに雀より、孔雀の方が神獣っぽい。けど不死鳥様雀の姿でもメッチャ目立ってますからね?
赤い雀なんて不死鳥様だけですし、カエデさんの肩に止まっている雀なんて不死鳥様しかいないですから。
まぁ、孔雀の状態で現世にいられると部屋が狭くなるから、これまで通り現世では雀の姿でいてもらおう。
「今から炊くので時間がかかりますけど、文句言わずに待てますか?」
今日は平原でキャンプ気分を味わいながらお米炊くつもりだったから飯盒を使ってお米を炊く予定なんだけど大丈夫かな?
「我を誰だと思っている。そのぐらい待てるに決まっているだろう」
そう?なら遠慮なく時間をかけさせてもらおう。
新米を2合取り出してお米を洗う。
とぎ汁を飯盒に入れてシングルバーナーの上に置いて15~20分ぐらい火にかける。
これをやるだけでアルミ臭さを緩和してくれるってどっかで見た。
お米はしっかり水につけておく30分~1時間ぐらい?しておくと良いらしいので、20分経過したところで火を止めて飯盒に入っているとぎ汁を捨ててから、浸水させているお米を放置して森フィールドに行く。
「なぁヒロキよ。もしかしなくても思ったより時間がかかるのか?」
「そうですねかかりますよ時間。でも待ってくれるって言いましたもんね?」
「まぁ、今から網焼きにしたら美味しいキノコを採って、ご飯を炊きながらおかずを作ってって感じなので。なんだかんだ言ってあっという間だと思いますよ」
地味に不死鳥様と2人でなにかするって初めてな気がする。
不死鳥様とキノコ狩りをして充分な数を集めて平原フィールドに戻る。
しっかりと浸水させたお米を飯盒に移して火にかける。
ここからは火加減を調整するぐらいで殆ど放置だ。
この間におかずをと思ったけど。いつもお米を炊く時に使う土鍋をストレージから取り出して更にお米を炊く準備をしておく。
そう言えば俺が料理するのにお米が2合だけで足りるわけがなかった。
気分はソロキャンだったからうっかりしてた。
追加のお米の下準備が終わったら、七輪でキノコの網焼きを始める。
飯盒のご飯は火からおろして蒸らしておく
「お米の炊ける匂いに、キノコの焼ける匂い。すごい食欲を刺激されるぞ」
今すぐにでも飯盒の蓋を開けてご飯を食べ始めそうな不死鳥様に待て!をしながら
キノコの網焼きとなめこの味噌汁を作る。
最後に網焼きに醤油を垂らして全て完成。
「おお、あの農地で採れる米も中々上手いな。いつも食べているものより噛むと甘みを感じる。粘り気は少し少ないか?」
確かに不死鳥様の言うとうりの違いがある。
どっちが良いかという質問にたいしては個人の好みによるとしか言いようがないけど。
キノコの網焼きも美味しいや。
これ食べると秋って感じがしてくる。
秋刀魚にたけのこも食べたかったけどまだ手に入ったことないんだよな。
チュートリアルの森で手に入るようにできるけど。そのためにはMPを貯めなきゃいけないのですぐにってのは無理だ。
MPを使ってやりたいこといっぱいあるし。
農地で収穫できたお米がこれだけの美味しさなら養殖ネットの真鯛への期待も高くなっちゃうな。
真鯛が食べ頃まで育ったら鯛づくしのご飯を作らないと。
新米の試食を終えてみんなの分を追加で作ってから家に帰宅した。
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