第160話

「それにしても油断してるとやっぱり危ないな。さすが特級ダンジョン」


最近は魔物の気配も半径10mぐらいなら感じられるようになってきてたんだけど。ミミックオクトパスの擬態に気づくことはできなかったな。

ああいう擬態持ちを見つけるには気配察知のスキルを習得しないと無理か。


でもな〜気配察知のスキルは周りの気配の情報を伝えるスキルだけど。

慣れないで使うと周囲にいる生き物全ての気配の情報が頭の中に入ってきて気持ち悪くなるから、まずはスキル無しで魔物の気配を感じられるようになってから覚えた方がいいって言われてるんだよな。

パニーも慣れるまで気持ち悪くて何度も吐いたって言ってたし。

最初よりは気配を感じらる技術はマシになったけど、まだまだだし。

今すぐ習得するのはやっぱりやめておこう。

ダンジョンでゲロって動けなる方が危ないし。


気を取り直して通路を道なりに進む。


通路を進んでる間はミミックオクトパスが襲ってくることはないだろうし。


大アコヤガイみたいに海中に入ってまで採集しようと思う物がなかったってのもあるけど。


ダンジョンなんだから先に進めば進むほどレアな物が手に入るんだし、早く先に進んだ方がお得だろう。


「アイギスは俺ひとりが乗れるぐらいのサイズになることできる?」


特に旨みはないし次の階層に行くのにアイギスに乗れれば早く行けると思いそんな質問をしてみる。


アイギスはちょっとやってみると言うとあーでもないこうでもないと大きくなったり小さくなったりを繰り返している。


アイギスはサイズを自由に変えてると言うよりは体を子供の頃まで逆行させるという少し特殊な方法で小さくなっている。

俺がお願いしたサイズが何歳頃のサイズだったか思い出せなくて大きくなったり小さくなったりを繰り返している。


アイギスは子供っぽいところもあるけどダンジョンによって生み出されたのは何百年も前の話なのでうちのメンバーの中でも以外に年上だったりする。

ただし、ダンジョンの隠しエリアに配置されたせいで俺と出会うまで誰とも会えなかったって言うのもあって精神年齢は子供だけど。


アイギスがちょうどいいサイズに慣れるまで、近づいてくる魔物は全部俺が倒す。

雷で広範囲を一掃しちゃおうかなとか一瞬頭によぎったけどいくらダンジョンの中でも回収するつもりのない生き物までまとめて殲滅するのはダメだろうと高火力の雷攻撃を使うのは中止した。


「おっいい感じのサイズ。その大きさならこの通路でも俺を乗せながら飛んで移動できるね」


地面スレスレな低空飛行だけど。


「じゃあアイギスさんお願いします。あとここの地面は透明だからぶつからないように気をつけてね?」


このダンジョンの通路の壁は無色透明で地面以外の上と左右の壁は通りぬけできて海中に入っていけるタイプだ。

魔物は地面も通過できるみたいなんだけど、挑戦者である俺たちはできない。

通過できる設定だったら歩くこともできないし寧ろその設定で助かるんだけどね。


ただし、地面スレスレを飛ぶ今となっては透明な地面っていうのは少し厄介だ。

気づかずに地面に激突とかやらかしそうだし。


いくら透明だって言ってもそんなミスしないから任せてってアイギスは言ってるし、アイギスのことを信用しよう。


アイギスに乗って通路を進むと次の階層に向かうための転移魔法陣に10分程度で到着する。アイギスの飛行速度なら海中の魔物からちょっかいをかけられることも無いので魔物との戦闘もなかった。


「2階は昆布の森か〜」


2階の海は昆布が沢山生えていて視界が大変悪い。そんなことより昆布取り放題だな!

出汁としても優秀だし。おでんの具としても好きなんだよね。

いっぱいは食べないけど。一個もないと悲しくなる感じ。


「ってことで昆布を乱獲してくるからアイギスはちょっとまってて」


そう言って海中に入ろうとすると足をガシッと掴まれる。


「アイギスも一緒に行く!」


アイギスが喋った!と思って足もとを見ると3歳ぐらいの幼女が全裸で抱きついていた。


「アイギス、人の姿になれるようになったの?後服をきてください」


「だってせっかく2人なのにマスターアイギスのことおいて行くんだもん」


おいて行かれるのか嫌で人型になれるようになったと。


「でもスキューバセット俺の分しかないよ?」


まぁオクトパス使えば2人で潜れないことも無いけど。オクトパスは緊急用だし。


「アイギス、龍だから1ヶ月ぐらい呼吸しなくても問題ないから大丈夫」


それもそうか。もしやばかったらオクトパス使えば良いし。自分で通路まで戻ってくることもできるか。

見た目3歳ぐらいの幼女でも龍種なわけだし最低限戦うこともできるだろう。


「その前に服着ようか」


3歳児サイズの服なんてないけど。龍種なら自分の魔力で服を作れるはずだ。



「なんで?アイギスいつも全裸だよ?」


確かにそうだけども!!


どうやって説明すればアイギスが服を来てくれるのか悩むヒロキだった。



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読んで頂きありがとうございます。


新作投稿しました。現代ダンジョンものです。


地球「ファンタジーアップデートが適応されました」



https://kakuyomu.jp/works/16817330647913656484


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