第155話

「喋りずらい以外に気になるところはないな。喋りづらいって問題も念話を使えば良いし呼吸する為の空気を生成する魔法は考える必要なさそうだね」


メープさんを影魔法使いに転職させた次の日。

最近構ってくれないとアイギスのご機嫌が斜めだったので上空の空気確保手段にもスキューバセットが使えると聞いていたのでその実験も兼ねてアイギスに乗って上空散歩をしている。


スマホのマップは1度通った場所じゃないと表示されないから、マップをうめるのにもちょうど良い。


浮遊大陸の今の位置はアイギスが全速力でとんでも一日じゃたどり着けない位置らしいので浮遊大陸に行くつもりは無い。


数日中には浮遊大陸に向けて出発するつもりだけど。

今回はあくまでアイギスとの上空散歩。


騒がれないように地上から目視できない高度を飛んでも良かったんだけど、俺も景色を楽しみたかったので高度500mから1000mを低空飛行している。

だから魔物に襲われている馬車も見つけることができた。


「流石に無視するのは嫌だし俺は飛び降りて助けに行くからアイギスは後からついてきて」


アイギスに乗ったまま急降下してもらうでも別に良いんだけど。魔物に襲われている現状龍種のアイギスが突っ込んでくるのは恐怖でしかないだろうから。

俺が最初に接触して俺の従魔のドラゴンがくるんで驚かないでくださいって言えば何も知らずにアイギスが突っ込んでくるよりかは多少ショックは軽減されるだろう。


「空から人!?」


やってから空から人が降ってくる時点でびっくりするかって思ったけどもう遅い。


「襲われてるのが見えたので救援に来ました。従魔のドラゴンもすぐに来るのでびっくりしないでくださいね?」


アイギスのことを伝えて馬車を襲う魔物を倒すために小狐丸をストレージから取り出す。

居合切りとかもしてみたいけど、居合切りの才能はないみたいで練習で1度も成功しなかったので普通に構える。


相手はオークの集団。通常のオークを後ろから杖を持ったオークメイジと弓を持ったオークアーチャーが援護するように攻撃している。


そのせいで通常のオークを倒すのに手こずっているようだ。


先に後衛を倒しちゃうか。


「【雷化】【思考加速】」


後衛の方に行こうとしてそれを通常オークに邪魔されるのはめんどくさいので速度をあげて一気に接近して後衛オークの首を切り落とす。


「通常オークは…邪魔が入らないなら倒せそうだな」


後衛のオークの援護があったせいで苦戦していただけだろうし馬車の護衛に雇われてるだろう冒険者に任せる。



「この度は救援ありがとうございます。ヒロキ殿」


冒険者の戦闘を眺めていると馬車の持ちの主だろう人が話しかけてきた。


どうして俺を?って聞く場面だろうけど。

この世界だと男ってだけで少数だし、その中で強いとなるとさらに少数。

オマケに龍種を従魔にしてるなんて俺しかいないんだから、俺の名前を知らない人が知っていても可笑しくない。


「魔物に襲わえてるのを見つけたのに黙って通過するなんて出来ないからね。失礼ですがお名前をお聞きしても?」


「失礼致しました。私スタローン商会のオウルと申します」


全品100パーセントオフで買い物していきそうな名前をした商会だな。

販売する側だけど。


「それではオウルさん早速報酬のお話なんですけど、俺がここから居なくなるのを止めないってことでお願いします」


訳分からない報酬の内容にポカーンとしているオウルさんを放置して降りてきたアイギスに乗ってすぐにこの場から離脱する。


「帰るのが遅くなるのは嫌だからね。そろそろアストに帰ろうかアイギス」


転移で帰ることもできるけど。それじゃ味気ないので帰りもアイギスに乗って飛んで帰る。


たまにはこうやって目的なしでフラフラしてリフレッシュするのも重要だね。


「っていい感じのまとまってたのに、前にアイギスに求婚して断られたのに駄々こねて暴れだしたから尻尾ぶった斬ってやったファイアードラゴンか」


尻尾がない全身真っ赤なドラゴンが現れた。


「尻尾をぶった斬られた恨みを晴らしに来たってか?ちょアイギス?」


俺が攻撃するより早くアイギスがレーザービームみたいなブレスでファイアードラゴンを攻撃した。


ファイアードラゴンは急降下することでなんとかレーザーブレスを避けたけど、避けた場所に向かって2発目のレーザーブレスをアイギスが放つ。

ファイアードラゴンは2発目のレーザーブレスを避けることができず。レーザーブレスは頭をぶち抜いた。


せっかくいい気分だったのにゴミのせいで台無しだ。と怒るアイギスの頭を撫でる。


ファイアードラゴンもそのまま放棄していくのは勿体ないのでストレージに収納する。

ファイアードラゴンのしっぽを使ったテールスープは凄い美味しかったし、他の部位も期待できるからね。


地上からでも見える高度での戦闘だったし誰かに見られて騒ぎにならないと良いけど…

いや、先に報告しておいた方が後からなんで報告してくれなかったんですか?って言われるよりましか。

アストに戻ったら冒険者ギルドに行ってシエラさんに直接報告しよう。


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読んで頂きありがとうございます。


新作投稿しました。現代ダンジョンものです。

地球「ファンタジーアップデートが適応されました」


https://kakuyomu.jp/works/16817330647913656484



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