第153話

「シャドウサーヴァントは魔物の魔石を核に作るシャドウゴーレムです。必要ない時は自分の影に潜ませておけるし。核である魔石以外のダメージは術者の影に潜んでいれば自然治癒します。また、核にした魔石によって姿が変わります。龍種の魔石を使えば龍種の姿をしたシャドウサーヴァントが作れるってことですね」


流石にスキルは使えないから、物理攻撃しか攻撃方法は無いけど。

核にする魔石のランクが高いほど防御力、攻撃力上がる。

騎乗することもできるので使い勝手はかなりいい。

飛べる魔物の魔石を核に使ったシャドウサーヴァントなら飛ぶこともできる。


「影魔法で使える魔法がシャドウサーヴァントだけでの充分ってぐらい便利そうですね」


強力なタンクアタッカーを数用意できるし。

ソロでも安心して後ろから魔法を使うこともできる。

SP交換にスキルの宝珠があれば俺も覚えたかったんだけど。残念ながらなかった。

スキルの宝珠自体は存在するので、そのスキルの宝珠をドロップする魔物を倒せば俺も覚えることができるけど。

シャドウサーヴァントが便利なのは確かだけど。従魔もいるしそこまでして習得する必要はないかなと優先度は高くない。


「ちょうどバイコーンの魔石がありますし。実際に作って動かしてみましょう」


バイコーンは3人で倒した魔物だしちょうど良いだろう。


「分かりました!【シャドウサーヴァント作成】」


メープさんが影魔法を発動するとメープさんの影が広がり盛り上がって、黒いスライムのような物体が生成される。

その黒いスライムにバイコーンの魔石を突っ込むと黒いスライムが膨張しながらバイコーンの形に変わっていく。


「もう魔力がスッカラカンです〜」


通常のバイコーンの半分ぐらいのサイズで止まってしまう。

術が途中で止まってしまったのでバイコーンの魔石は消失して黒いスライムの状態に戻ってしまった。

そう言えば強さとサイズによって魔力の消費が変わるんだった。

キャラレベル20の魔力量じゃバイコーンのシャドウサーヴァントは作成できなかったか。


でも、この魔法は最初に消費する魔力を全て消費するタイプじゃなくて、魔法の発動中にちょっとづつ消費していくタイプので魔力がからになる前に魔力回復ポーションで魔力を回復させると言う方法で発動できるはず。


ということで魔力回復ポーションとバイコーンの魔石を再び渡してシャドウサーヴァント作成に再挑戦してもらう。


「グルゥゥゥ」


「シャドウサーヴァントって鳴けるんだな初めて知った」


2度目のシャドウサーヴァント作成は無事成功して等身大バイコーンのシャドウサーヴァントが完成した。声帯まで再現されてるらしく馬なのに肉食獣っぽい鳴き声で鳴いている。


「よろしくねメア」


メープさんはバイコーンのシャドウサーヴァントにメアという名前をつけた。

名前を貰って嬉しいのか角で傷つけないように頬ずりをしている。

ちゃんと製作者に従順みたいだ。


「バイコーンの十八番である雷魔法は使えないとしてのいい前衛になってくれるでしょう。人の言葉もしっかり理解しているみたいですし。騎乗するには鞍を用意する必要がありますね」


シエラさんがそういうとメアは首を左右にブンブン振った後にメープさんのことをじっと見つめる。


「追加で影が欲しい?」


「メープさんあの黒いスライム状の物体が欲しいんじゃないですか?とりあえず追加で魔力回復ポーション渡しますね」


俺の考えてることがあっているなら影で鞍を作ろうとしてる?

そんなことまで出来んの?

できるなら見てみたい。


「そうなのメア」


メープさんがそうメアに聞くとウンウンと頭を縦に振った。


「メアがそう言うなら【シャドウサーヴァント作成】」


シャドウサーヴァントの元である黒いスライム状の物体が現れる。

それをメアがムシャムシャ食べ始めた。

全て食べ終わるとメアが黒い霧に覆われて視認出来なくなる。


霧が消えて現れたメアは黒騎士の愛馬がつけてそうな禍々しい鎧と鞍を身に纏っていた。

厨二チックっでかっこいいとは思うけど。

メープさんが乗ると考えると少し違う気がする。

とは言えシャドウサーヴァントの影による武装はハーレムクエストにはなかった要素だ。

どれぐらい強化されるのか知らないけど、悪くないんじゃない?

影で作られてるから一々脱いだりする必要ないし。

騎乗するために普通の鞍を装着させたりすると、影に潜ませる時に一々鞍を外さないといけない。

装備も影で作られてるならそのまま影に潜れそうだし。


「ちなみに今みたいに装備を増やすだけじゃなくて、自分のサイズを大きくしたりは出来ないの?」


メアに首を左右に振った。

追加の武装を作ることで強化することはできるけど。自分の体を大きくしたりして強化することはできないのか。


体も大きくできるなら小さい魔物のサイズを大きくして騎獣になって貰ったりとかして貰えそうだったけど。


そこまでできちゃったら、ほんとにチートっぽいし追加の武装で強化できるぐらいがちょうど良いか。これでも充分チートっぽいし。


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読んで頂きありがとうございます。







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