第142話

「次はキングトレントの情報についてですね。これについてはかなりお役にたてるかと」


魔物に関しては冒険者ギルドが1番だろうし詳しい情報を持ってるだろう。


「キングトレントが出現するダンジョンは複数確認されていますが1番近い場所になると特級ダンジョンの〈毒霧の森〉になります」


毒霧の森はフィールド中が猛毒の濃霧に覆われているダンジョンだ。

毒の対策なしに入ったら即死だし。30cm先がギリギリ見えるレベルの濃霧に覆われてるので、自分がどこにいるの把握するのも難しいし不意打ちされ放題。

しかもただの霧ではなく、気配察知や魔力視による探知の阻害効果のおまけ付き。

かなり殺意の高いフィールドギミックだと思う。


魔物も一階層目からかなり強い魔物が出てくるようで、お目当てのキングトレントも一階層目でも目撃情報があるぐらいだ。


「かなりの事前準備が必要ですよね。となると少し遠くでもほかのダンジョンを狙った方が最終的に早く手に入れられそうですね」


毒対策に濃霧の中でも迷わないように道標になるアイテムetc.....

ただ用意すれば良いだけじゃなくて品質のいい物を集める必要がある。

そう考えると少し遠くでも毒霧の森以外のダンジョンに行った方が良いんじゃないと思うのも当然だと思う。


「やはりヒロキさんでもそう言う判断になりますか…」


俺なら毒霧の森でも口笛吹きながら攻略できると思われてたんだろうか?


ピュリフィケーションで空気中の毒を消し去ることはできるけど。ダンジョンのフィールド全体に充満している毒を消し去るなんて現実的じゃない。


「対策装備があれば大丈夫だけど。そう言うのなしでってのは無理ですね」



対策装備さえ有ればお散歩感覚で攻略できると思うけどね。

と言うレガリアの方のアイギスを使っちゃえばそれこそお散歩だ。


今はアディルさんに貸出中だから無理だけど。


「いちばん現実的なのはアストから馬車で1ヶ月ぐらいかかる距離にあるダンジョンですね。ここでは15層にキングトレントが登場するようです」


アイギスならかかっても2日で到着できるな。


15階層まで降りることも考慮しても1週間も有ればキングトレントから樹液を採集することもできるだろう。


「早速行ってみようと思います」


必要な情報もわかったので、シエラさんにお礼を言って冒険者ギルドを後にする。



「おかえりヒロちゃん。知りたい情報は手に入った?」



「ただいまシロナさんちゃんと手に入ったよ」


「そんなヒロちゃんに残念なお知らせがあります。例のサハギンの件でメフィルスから連絡が来ました」


サハギンの巣でも襲撃して潰して欲しいとでも言われたかな?


「どう言う連絡でしたか?」


「どうやら、あのサハギンを上手くだしてるダンジョンが海底にあるらしの。ダンジョンの入口を天空や海底に設置するのはルール違反だし。ヒロちゃんにはダンジョンをぶっ壊して欲しいって」


「わかりました。それなら成功報酬にキングトレントの樹液を追加して欲しいってメフィルス様に言っておいてください」


「それぐらいだったら交渉する必要もなく用意してくれると思うよ。あとは海底ダンジョンで活動するためのスキューバセットを渡しておくね」


ボンベとか凄い重そうだけど。このスキューバセットはダンジョン産のアイテムだから実際は1kgもないぐらいの重さしかない。

ボンベにあるくぼみに魔石をはめると魔石の魔力を消費して空気を生み出すと言う仕組みらしい。


「明日から早速海底ダンジョン行ってくるよ」


海底ダンジョンはチョコブリンダンジョンのある孤島の近くにあるみたい。

なので明日は孤島から潜ってダンジョンの入口探しだ。

スキューバダイビングなんて何年ぶりかな?

楽しみだけど。確実に魔物と戦闘になるだろうし。完全お遊び気分で潜ぐってケガしないようの気をつけないと。


「それにしても、スキューバセットが1つしかないし今回は俺1人でダンジョンを攻略してぶっ壊すってことだよね」


「そうなるね。まぁ、ヒロちゃん1人でも余裕な程度の難易度みたいだから安心していいよ。海底にあるから侵入者は現れないだろうと例のサハギンを生み出す以外特に特に弄ってないらしいから ダンジョンの難易度は超簡単だって」


海底まで来るやつはいないだろうと決めつけてるんだろうな。

まぁ、メフィルス様が用意してくれなきゃスキューバセットもないわけだし。自分から海に潜ったか?と聞かれたら潜らなかったと思うので、ダンジョンマスターの考えも間違ってないと思うけど。


スキューバセットをストレージに収納してジュリアナさんの錬金部屋に向かう。早めにワンダーマッシュルームを用意できるようジュリアナさんにお願いしに行くためだ。


それと魔物を人に変化させる薬についても説明しておかないといけないし。

錬金術で作る薬なんだから当然ジュリアナさんに作って貰う予定だけど。

この薬について説明してないし説明しておかないと。


ドアをノックすると入って良いよと返事が来たのでドアを開けて錬金部屋の中に入った。



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読んで頂きありがとうございます。



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