第116話
「とりあえず。今日後やっておかないと行けないことは……教会にアポ取っとかないとか」
ただ神像に祈りを捧げに行くだけならアポなんていらないけど。
今回は大天使の試練を受けるために行くんだから、全てを説明することはしないにしても、軽く事情を説明しておかないとまた大騒ぎになる。
「教会に知り合いなんていないし。アポ取りをアディルさんにお願いすることになっちゃうんですけど良いですか?」
この街の領主だし、この人にお願いするのが1番確実だろう。
「まぁ、ヒロキくんにはお世話になりまくってるから頑張ってみるよ。さすがに明日は急すぎるって言われるかもしれないけど」
アポって言っても明日教会に言ってちょっと特別なことするから驚かないでね。それと出来れば人払いして欲しいなーって言うかなり無茶なお願いだ。
ぶっちゃけなんの手土産もなしにって言うのは難しいだろう。
アディルさんはそれの準備も含めた上でやってくれるつもりみたいだけど。
複数所持してる大天使の聖弓をお土産にするつもりだ。人払いする理由にもなるだろうし。
教会の人ならこう言うの大好きでしょ?
偏見かもしれないけど。
大天使の聖弓は見た目は普通の木でできた弓なのに何か神聖なオーラ的なものを発している弓だ。
よっぽど鈍い人でも感じられるぐらいのオーラだし、教会はこれで嫌とは言えないだろう。
あと、ディラストのリッチはほぼ全て死霊王の王笏を使ったらしく、王笏だけ10個ぐらいあったから、今ストレージに聖弓がいっぱい有るから渡しても痛くもないってのも理由だ。
逆に大天使の輪はもう1個しかストレージにないので渡すつもりは無い。
いつ必要になるか分からないし。
「確かに、それなら交渉なんて無しで全面的に協力してくれるだろうね。正直、私も武器として欲しいぐらいだけど、流石に聖弓に見合うだけの物がないしな〜」
正直天使が使わない限り、無限に矢が撃てて光属性が付与された攻撃ができるぐらいで、ほかはちょっといい弓ぐらいの性能なんだけどね。
本来の性能は天使が使わないと発揮することが出来ない。
まぁ、俺もヴァルキュリアに変化した聖弓の性能を見たことないからどこまでの物なのかしっかり把握している訳では無い。
ここは1度威力を実際に確認してみるべきか?
さっきは天使がハルカちゃんしかいなかったから、ヴァルキュリアに変化させることはしなかったけど。
今はジュリアナさんも天使になったしヴァルキュリアの性能実験をしても問題ない筈。
「ていう訳で、ジュリアナさん収納袋から大天使の聖弓を取り出してヴァルキュリアに変化させよう」
大天使の聖弓自体は既に渡してるので自分の収納袋の中に入れて持ち歩いてる筈だ。
ジュリアナさんが大天使の聖弓を収納袋から取り出して手に持つと、木製の弓の色が徐々に白銀に染まっていく。
聖弓全てが白銀色に変わると、それこそ普通のアンデッドなら、この聖弓を近づけるだけで浄化出来るんじゃないかってぐらいのオーラだして輝いていいる。
それと少し大きくなったかな?と言う感じだ。和弓みたいな大弓サイズと言う訳では無い。
「もうちょっと大きくても良いかなって思ってたけど。持ち主の希望通りに形を変えるんだね。オーダーメイドで作ってもらった弓みたいだ」
その後は、短剣など他の武器への変形を試した後、中庭で本日2回目の威力検証の時間だ。
的は1回目と同じ妖術で作った土壁。
ただし念の為に厚さは1回目の倍にしておいた。
矢は弦を引くと自動で現れる光の矢を使う。
ヴァルキュリアで撃った光の矢は、半分ぐらいの深さまで突き刺さって止まった。
つまり、1回目の厚さだったら貫通していたってことだ。
しかもこれ、弓術スキルによる威力補正無しでだよ?
ヤバすぎるでしょ天使専用装備。
「と言うか。ハルカちゃんが使った神聖魔法並の威力がでてる?」
「それだけヴァルキュリアの補正が凄いってことだよ。因みにヴァルキュリアは杖にもなるから、ヴァルキュリアで神聖魔法を使えば神聖魔法の威力もちゃんとアップしますよ」
そう言えば杖も武器として存在したな。
ハーレムクエストの頃から使ったことなかったけど。
妖術に影響を与える杖が無かったから使う意味がなかったからね。
「因みにヴァルキュリアを使い場合の専用技とかも有るんですよ」
なんと言うか、天使超優遇されてない?
妖術も相当チートだし、お前が言うなって言われそうだけど。
因みに弓の状態だと上空に矢を撃つと上空で矢が分裂。そして大量の矢が雨のように降ってくる『アローレイン』と言う技が使えるらしい。
因みに光の矢でしか使えないらしい。
そう聞いて爆弾矢で使えなくて良かったと少しほっとしてしまった。
爆裂ネズミの火薬より強力な火薬だってそれなりに存在する筈だからね。少なくともハーレムクエストには存在した。
その火薬を使って作った爆弾矢を使ったアローレインなんか使った日には大惨事だったろうし。
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