第106話
「もうさ、アイギスと鳴神を連れてディラストの王都を滅ぼしちゃえば良くない?」
もうこれが手っ取り早い気がする。
「それをすると今まで虐げられて来た人種の恨みがヒロキくんに向けられる可能性がある。まさかって思うかもしれないけどそれだけの事をして来てるからねディラストの人間は」
「それはめんどくさい」
「正直、ディラストの人間は皆殺しぐらいしないと人間以外の人種は納得しないだろうね。過激だなって思うかもしれないけど。実際ディラストは同じことを過去に何度も行って来た国だ」
恨みの連鎖は断ち切らなきゃいけない。
誰かが我慢しなきゃ行けないってこう言う時は言わないといけないのかもしれないけど。
そんな綺麗事言う気になれないな。
ぶっちゃけ、最初は俺の事を手違いで殺してそれが他の神にバレないように転生させるとか自分勝手なことを言ってる神にいつか復讐してやるって言うのが強くなりたい1番の理由だったし。
最近はもうどうでも良くなっちゃったけど。
復讐なんかより、みんなと幸せに暮らしている方が楽しいし。
だから、復讐したい。ディラストの人間なんて許せないって人を止めるつもりは無い。
その過程で俺の邪魔をするなら容赦しないけど。
「他の人間の国も飛び火して欲しくないだろうからディラストには一切、協力しないだろうしもう滅亡するのは確定だろう」
人間の国からしてもディラストは恨みを晴らしてもらう生贄ってことか。
他の人種に対して好き勝手してたのはディラストだけじゃないだろうけど。
そう言う国は率先してディラストを批難したりするんだろうな。
ディラストを滅ぼした後に自分たちに国が標的にならないように…
逆に怒らせるだけだと思うけど。
変に巻き込まれないように、俺はちょっかいをかけられた時に力で叩き潰すぐらいにしておいた方が良いみたい。
それにしても、やっぱり数年は混沌とした情勢が続きそうだ。
「そろそろ行かないと、集合時間に遅れそうなんで行きますね」
街の中でアイギスと鳴神に本来のサイズに戻ってもらう訳にはいかないので、イリスさんとジャスくんとは街の外で待ち合わせしている。
カエデさんとパニーは既にダンジョンに行ってしまったので、もう家にいない。
あの二人も街の防衛のために必死になってレベル上げをしているから仕方ない。
パニーの師匠の話を聞いてなら私も魔剣使いに転職できそうだなと言って直ぐに転生の実を使用、無事魔剣使いに転職した。
転生11回目ともなるとかなりレベル上げ大変だと思うけど。
魔剣術を使って魔物をバッタバッタとなぎ倒しているらしい。
パニーも今日か明日には魔闘士に転職できるだろうって言っていた。
家に残っている人達に改めて行ってきますと声をかけてから家をでた。
〜ダンジョン都市アスト・外〜
鳴神とアイギスに普通のサイズに戻って貰って目印になって貰っていると、街からエルフと少年が歩いてくる。
「おまたせしました」
「ちょっとやることがあったんで早めに来ただけなんで問題ないですよ。じゃあ早速アイギスに乗ってください」
2人にアイギスの上に乗ってもらう。
「アイギスに乗っている時はそのとってから手を離さないようにしてくださいね。飛んでいる間、結界を張ったり安全に気をつけたりはしてますが万が一ってこともありますから」
万が一アイギスから落ちた時は鳴神に拾ってもらうことになってるから落ちてもなんとかなるとは思うけど……
「後、少し寄り道をするつもりなんで、それだけご了承ください」
「寄り道……ですか?」
「ちょっと不届き者の拠点を見つけましてね」
少しだけ早めにきて鳴神を介して下位精霊を召喚。付近に怪しい人物がいないか探し回って貰っていた。
結果、怪しい人間たちが集まっている秘密基地的なものを見つけちゃったんだよね。
ご丁寧に、外からは中が見えなくなる特殊な結界を発生させられる魔道具を使う徹底ぶりだ。
精霊たちには無力だったみたいだけど。
もしかしたら冒険者の可能性もあるかなって思ったけど。数時間歩けば街に到着する距離にそんなもの設置するのは怪しいし。
それに下位精霊が骨が居たって言っていたらしいので確定でディラストからの刺客の1部だろう。
俺が街から居なくなるの彼処から観察していたんだろう。
既にパーティー機能の念話を使ってカエデさんたちに知らせてはいる。
なので全て任せても良いけど、見つけちゃったなら無視するつもりは無い。
連絡したのは突然街の近くで龍種がブレスを吐いても驚かないでね!と言うつもりで連絡した。
「アイギス気づいて無いふうを装って連中に近づいて、ブレス吐いちゃって」
あの結界は擬態して姿を消すことに特化した物だから、結界の耐久自体は高くない。
アイギスのブレスなら秒でとかせるだろう。
結界がブレスの攻撃範囲に入った瞬間口から光の奔流とも言える光属性のブレスで攻撃する。
結界はパリンという音を立てて一瞬で破れる。
中に隠れていたリッチや人型のゾンビが見えたがすぐにブレスの中に消えてしまった。
ブレスが消えた後には魔石とリッチとゾンビが装備していた装備品だけが残っていた。
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