第80話
「今まで着てきた服の中で1番着心地良いのがなんか釈然としない」
長時間の説得のすえようやくバニースーツを着てくれたパニーが姿鏡で全身を確認しながらそんな事を言う。
「何の素材が使われてるのか分からないけど。確実にレアな物が使われてるだろうからね。着心地が良いのも当然じゃない?」
「まぁ、水着とか下着見たいな鎧着て戦うよりかはましか」
この世界、エロゲー世界を参考に作られた世界なので布面積が少ない防具の方が性能が高い物が多い。
布面積が少ない無いと高性能にならないと言う訳でも無いけど。
それでどうやって体を防御してるの?と言うと、バニースーツの謎結界と同じ感じだね。
まぁ、ダンジョンのボスが使う謎結界と同じ結界を張れるものは初めて見たけど。
普通は結界魔法の複合結界を体に纏わせる感じで発動できたり、ダメージを割合で減らしてくれる結界を体に纏わせると言う効果が多い。
布面積が少ないという事はそれだけ防具としても軽いし動きの阻害もしない。
オマケにしっかり全身を守ってくれる。
レア度の低いものなら鍛冶師でも作れるので
結構それを装備している冒険者は多い。
因みにさっきパニーが下着みたいなって言ってた防具ね。
ビキニアーマーとか言われてる防具だね。
カエデさんも巫女服風の防具を渡すまでは龍種の皮で作ったビキニアーマーを来てたからな。
ビキニアーマーがメジャーな防具なせいで、そのぐらいの露出は普通って思ってる人が割と多いみたいだけど、パニーは普通の感性を持ち合わせてる人だったみたい。
「ヒロキも男物で恥ずかしい防具が出たら絶対装備させてやる」
中々に怖いことを宣言されてしまったけど、物によっては死にものぐるいで拒否しよう。
ブーメランパンツとかも防具として存在するからな。
しかもブーメランパンツはそれ以外を装備すると効果が発揮されなくなってしまうので、
際どいパンツ1枚でダンジョンを歩き回ることになる。
これはブーメランパンツだけの特性じゃなくて布面積の少ない防具共通のデメリットで、装備を隠すような物を装備してしまうと効果が発揮されなくなってしまう。
ビキニアーマーの上にローブを着て露出を減らすなどの行為は許されないということだ。
流石エロゲーを参考にした世界なだけはある。
「まぁ、出たらね」
布面積の少ない防具は基本高性能なことが多い関係上ダンジョンの宝箱からでもそうそう手に入れることはできない。
しかもほとんどが女性専用装備。
布面積が少なくて尚且つ男が装備できる防具がでる確率なんて超超低確率だ。
出るわけが無い。
ここまで盛大なフラグをたてたら逆に出てこないだろう。
明け方まで宴会をして、テーブルでそのまま寝ている連中を無視して朝食をとってからダンジョンに向かった。
「それにしても何かある度に明け方まで宴会をするのはどうにかならないのかな」
せめて後片付けを自分たちでして、自分の部屋で寝て欲しい。
「まぁ、無理やり宴会に参加させないだけマシと思うしか無いでしょうアレは」
パニーはアレはもうどうしよう出来ないと諦めているようだ。
確かに悪酔いして絡み酒をしてくるとか周りにそう言う迷惑はかけないよな。
宴会が終わったあとの後片付けと介抱で周りに迷惑をかけてるけど。
ダンジョンとは関係ない話をしながらダンジョンに入場する番が来るのを待った。
ミスリルラッシュのせいで人がすごい集まってきて中に入るだけでも時間がかかってしまう。
いつもの3倍以上時間をかけてダンジョンに入場することができた。
「底なし沼だけは気をつけないと。それ以外は楽だから、アンデッド階層よりかは幾分気持ちが楽かな」
その底なし沼も、もし足を取られても縮地を使えば離脱できるし。
それに底なし沼には水生の魔物が必ずいるみたいなので魔力視を使いながら進めば底なし沼に足を踏み入れることはないだろう。
「私は底なし沼よりタラスクの方が心配よ。防御力だけなら上位の龍種にも匹敵する龍種なのよ?」
タラスクとはワニガメの頭から2本の角を生やして100倍厳つくしたような龍種だ。
タラスクの甲羅は龍種の中でも上から数えた方がギリ高いぐらいの防御力を持っている。
因みに俺が唯一倒したことがある龍種。
レッサードレイクは龍種の最底辺なので今まで戦ったことのある魔物の中で1番の防御力を持っている魔物だ。
妖術があるし。妖術を使わなくても簡単に倒せる方法があるからタラスクって寧ろカモなんだよね。
タラスク出てこないかな〜と思いながら31階層を歩いていると思いが通じたのかタラスクが現れた。
「『石壁』」
こちらに気づいてタラスクが一瞬動きを止めた瞬間。タラスクの下に高速で石の壁を作り出す。
その反動でタラスクはひっくり返ってジタバタしている。
こうなるとタラスクは一定時間戻ろうともがくだけで、攻撃し放題になる。
甲羅以外の場所はレッサードレイクと同じぐらいの強度しかないので妖術を使わないくてもダメージを与えることができる。
こんなに簡単に倒せるのに素晴らしい防御力を持った甲羅も手に入る。
ハーレムクエストではよく序盤の金策でお世話になったな〜。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます