第155話 シンクロニシティ

ユングが提唱した概念。『意味のある偶然の一致』を指す言葉。刃牙を知る方々にはお馴染みのワード。何処ぞの海外の街かと感じてしまう、カタカナに弱い南山之寿。


本日は、シンクロニシティを科学的観点から紐解き、事象の解明に挑む闘い。適当な言葉を並べ、それっぽくなったなと小躍りする南山之寿。


第30話にて、マグカップに味噌を入れお湯を注ぐ話を披露。味噌湯と命名したことを思い出す。


つい先日、読んでいた新聞のコラム。沖縄のソウルフード特集。目に飛び込む一文に驚愕。お椀に鰹節と味噌を入れ、熱湯を注ぐだけの即席味噌汁『かちゅー湯』の紹介。沖縄にルーツがあるわけではないが、ものすごく親近感が湧いた瞬間。


そして気がつく、反省点。前回、鰹節を入れなかったことが敗因と悟る南山之寿。健康に良いと知り朝食に取り入れる、かちゅー湯。朝食はパン派の南山之寿。コーヒーの代わりに、かちゅー湯。合わなくも無いが、別々が良いと即封印。味噌パンと白湯。トーストと、かちゅー湯。どちらに味噌があるかの相違点。


健康を気遣う南山之寿。理由は明白。近づく人間ドック。腕に針を刺され、目には空気を吹き付けられ、回転台で不様に転がされる年に一回の祭。今年も変わらず、否、体重が減る奇跡。かちゅー湯の効果ではないが、ごはんを減らした結果。


嬉しくなり、その日の昼食は肉々しい定食を選択。一人飯なので、当然カウンター席へ誘導される南山之寿。左に先客。しばらくして、右にも客が着席。両隣とも、ハットを被る紳士な客。偶然にも、その日の南山之寿もハットを着用。シンクロニシティを感じた瞬間。


しばらくして、運ばれてきた定食。食事のマナーとして、ハットをとり荷物カゴに置く南山之寿。両隣の客にも定食が届き、やはりハットを荷物カゴに置く。カウンターに並ぶ、3人の坊主。頼んだ定食もどうやら同じ。


――シンクロニシティに感激した。


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