第17話 ビギナーズ・ラック

 わたしがはじめて競馬場で馬券を買ったのは24歳くらいのことだったと思います。職場の同僚たちと一緒に中山競馬場へ行きました。有名ならG1レース有馬記念が行われる競馬場に行くんだと、わくわくしたのを覚えてます。もちろん、有馬記念とは関係のない秋の土曜開催だったと思います。


 素人がいきなり馬券を買って、的中させることができるのか――わたしはそう思っていましたが、競馬場では何紙か競馬新聞というものが売られていて、この競馬新聞さえ読めば、どの馬を買おうか決めるのは簡単です。


 ひととおり競馬新聞の見方を教わると、まったく見当がつけられない、なんてことはありません。ただ、なかなか当たりませんでした。


 やっぱり、はじめてじゃ無理なのかな。と諦めかけていた最終レースで、馬連30倍の馬券が当たりました。300円買ったので、9000円になりました。ビギナーズ・ラックってあるんだとその時思いました。



 19年にサイトが閉鎖されてしまったのですが、時空モノガタリ文学賞という短編小説のコンテストサイトがありました。2000文字のショートショートのコンテストで毎月……だったかな、お題が示されてそれをテーマにショートショートを募集するって感じのコンテストでした。


 わたしが時空モノガタリ文学賞の存在に気づいたのは、五年くらい前、ネットで小説を書きはじめて一年半くらいたったくらいでしょうか。


「おれ、なかなか上手に書けるぞ」


と、カクヨムでは鳴かず飛ばずでしだが、無闇に自信があった時のことです。


 時空モノガタリ文学賞にショートショートを応募したところ、入賞させてもらいました。すごい、ビギナーズ・ラック。


 時空モノガタリ文学賞には、賞金があって入賞すると、当時は5000円いただけたんですよ! わずか2000文字の小説に5000円の賞金とは、なんて太っ腹。カクヨムのロイヤルティプログラムなんて見てください。はじまってから三年近く、何十万文字も書いていますが、たった2000リワードですからね! 時空モノガタリさんのおおらかさと、カクヨムのケチ具合の対比は鮮やかすぎます。


 おっと、またカクヨムの悪口を書いてしまった。訂正、カクヨムもおおらかです。2000リワードのうち1800リワードはキャンペーンでもらったやつですからね。わたしの実力で稼いだ200リワードだけですもん(笑)ありがとうキャンペーン、おかげで換金できます!


 って、ビギナーズ・ラックの話でした。


 ビギナーズ・ラックってあると思うので、小説でもなんでも、まずはやってみることが大事じゃないですかね?


 ちなみに時空モノガタリ文学賞に入賞したショートショートは、サイト閉鎖後にカクヨムへ移しました。これがわたしの小説で唯一、お金になった作品です。


『A Whole New World』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918246316/episodes/1177354054918247736

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