第12話 創造性は学べる
ご無沙汰しています。
書く気が起こらず、アイデアも出ず、ヨムこともカクこともせずにいた藤光です。みなさんお元気でしょうか。
いわゆるスランプ状態でカクヨムには手を出さず、ゲームをしてぐだぐだ過ごしていました。例によってNHKプラスを見ていたところ――『魔改造の夜 技術者養成学校』という番組を見つけました。
魔改造か。お堅いイメージの強いNHKがオタク心をくすぐるワードをタイトルに持ってくるような時代になったんだなと、目を見張ったのが『魔改造の夜』という番組でしたが、『技術者養成学校』はそのスピンオフ的な番組ということなのかな?
そもそも『魔改造の夜』がどういう番組かというと、いわゆる「ロボットコンテスト(ロボコン)」のような番組ですね。大学や企業の技術者が「ガジェットの改造」を通して、その持っている技術力やアイデアを競い合うというコンセプトのバラエティ番組です。この番組は魔改造というネーミングがキャッチーですが、ロボコンをはじめ同様のコンセプトで作られた番組は以前からあり珍しいものではありません。
ただ、『魔改造の夜 技術者養成学校』は、この本編『魔改造の夜』を受けて……。
――あの魔改造はすごかった。ああいう改造を行うことができる技術者を養成します!
という見立ての番組です。本編の『魔改造の夜』はガジェット同士の対決に注目してしていますが、『技術者養成学校』は、優れたガジェットはどうやって生み出されたかというところに焦点当てた番組で、このコンセプトははじめて接しました。おもしろいです。
今朝、NHKプラスで見た『技術者養成学校』の講師の先生は、「傑出したアイデアは、優秀な人だけがもつ特別なスキルではない」といっていました。「アイデアには方法論がある。創造性は学ぶことができる」と。だれでも学ぶことができるものなら、だれでも画期的なガジェットを生み出せる――魅力的な考え方ですよね。
この先生は生物の進化になぞらえて、アイデアの出し方を説明します。自然界には、さまざまな形態をした生き物が、その環境に応じた進化を遂げています。そして、進化とは「エラー」の積み重ねだと。よりよくに環境に適応した「エラー」が進化という創造性を支えていると。先生の説明する進化のパターンには次の九つがあるそうです。
①欠失(◯◯をなくす)
②擬態(◯◯に似せる)
③変景(超◯◯になる)
④増殖(◯◯がふえる)
⑤転移(◯◯な場所に移動)
⑥交換(◯◯を替える)
⑦分離(◯◯が分かれる)
⑧逆転(◯◯ではなくなる)
⑨融合(◯◯と合体)
トカゲが足をなくしてヘビになったとか、カマキリが花弁に姿を似せてハナカマキリとか……そういうことですが、これをなにかものを作り出すときに応用すれば、新しいアイデアを盛り込んだ製品につなげられるというわけです。
おもしろそうでしょ。
☆
アイデア出しに苦労するカクヨム作家って多いじゃないですか。わたしも「三題噺」の自主企画を主催していますが、お題に沿った小説のアイデアを出すのって難しいですよね。(わたし自身、いまのお題で書けていない……)
お題をそのまま文章に入れるだけで小説にはなりますが、それだけじゃあ物足りない。もっとテーマを広げて(進化させて)もっとおもしろいものを書きたいと思うのが、クリエイターってものでしょう。
そういうときに、この九つの「アイデア出し」の方法論が役に立つかも! と考えながら『魔改造の夜 技術者養成学校』を見ていました。なにか書けそうな気がしてきましたよ……。とりあえず、エッセイはひとつ書けた(笑)
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