第128話 この世に存在してはいけないもの

 今回短いです。

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 俺は3人で森の中に入ったのだが、早速面倒なことが起きていた。


「ねぇ、もう何でこんな目に遭わないといけないんだよおおお!!」

 

「それには物凄く同意します、ソラ様!! 私もあれだけは無理なんですぅぅぅぅ!!」


「……わだじも"ぎら"い"……!」


 俺達はある生き物から逃げながら、俺は泣いているサラを抱えて走りながら叫び、エレノアは顔を真っ青にして俺と同じように叫んでいる。


 その理由は追いかけている生き物が問題だった。


 これがまだネズミの大群とかなら、ビビりながらもあっという間に殲滅していただろう。


 そしてこれがまだ蟻でも何とかなっていたんだ。


 でもあれは無理。


 前世でも確か日本の北海道以外の地域で嫌われていた例の奴。


 全身黒光りで若干カブトムシに見えなくもないと思って近づいたら最後。


 気づいた時にはそのカサカサとすばしっこい奴は既に逃げ出しいる。


 そして見つけるまで恐怖に囚われながら生活しないといけなくなる。


 その正体は皆んなお分かりだろう。


 そう———ゴキブリだッッ!!


 それも体長50cmくらいの巨大な奴が何百匹もいる。


 俺たちはこの森に入ってほんの数分でこいつらを見つけてしまい、それから追いかけられているというわけだ。


 サラは見た瞬間に腰を抜かして泣いてしまった。


 俺たちも盛大に悲鳴を上げてしまったし、今は既に視界が涙で滲んでいる。


 ゲームでは遭遇率0.005%って書いてあったくらいで、都市伝説になっていたんだがなぁ!!


「え、エレノア! 取り敢えず魔法の入った魔道具を投げまくろう!」


「そ、そうですね!! 【獄炎】×15!!」


「サラ、俺の体で顔を隠してしっかり捕まっていろよ!」


「う"ん"……」


 それから俺たちは後ろを振り返らずに範囲魔法の込められた魔道具をぶっ放しまくる。


 兎に角一生懸命投げた。


 もうlevel何て当てにならないと本気で思ってしまった瞬間でもあった。


 そして走り続けること数分。


 後ろで物凄くなっていたカサカサという音が聞こえなくなったので振り返ってみると、嬉しいことに全てのゴキブリ型モンスターが死滅していた。


「よっしゃああああああ!!」


 俺は柄にもなく本気で叫びながら喜んでしまう。


 横を見ると俺から降りたサラとエレノアが抱き合って泣いていた。


 しかし死体が残っていたので、全て燃やし尽くす。


 過去一魔道具を使ったかも知れないがそんなこと今はどうでもいい。


 今はゴキブリを消滅させれたことを喜ぶ時だ。


 こんなものを用意したあのクソ幹部は絶対に許さん……ッッ!!


 俺は奴にこの世の地獄を見せてやると決意して奥へと進んだ。

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