第42話 空調服
暑さに耐えかねて、ついに空調服を買ってしまった。
空調服とは、現場仕事をする人々が着ている空気を吹き込む服のことである。株式会社空調服と言う会社が発明したものだ。
この会社が特許を持っているのだが、サンエスと言う会社に訴えられる。サンエスは作業服関係では大手の会社で、株式会社空調服は当時従業員数14人の零細だった。サンエスに株式会社空調服が空調服の作製を依頼していた関係だった。ただ、特許やさまざまな記録を残していた社長のおかげで裁判に勝つことができた。
空調服は、別に冷たい風が身体を包んでくれるわけではない。ただ、常に新しい空気を上着の中に送り込んでくれるだけである。
では、なぜ涼しいのか。それは身体の湿気を首から上に吐き出してくれるからだ。だから、中に着るのは、汗を吸い取って表面に送り出すタイプのシャツが望ましい。
さっそく、農作業に使用しているが、随分楽になった。少なくとも熱中症予防としてはかなり有効だ。現場の方がこれ無しはもう考えられないと言う理由は理解できる。ちなみに、おすすめはベストタイプである。こちらのほうが動きやすい。何しろ、風船状態になるので、袖は邪魔なのだ。あと、火花が出る仕事や粉塵の出る仕事では空調服は使えないらしい。
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