Day3-5 自習って?
1時間目が終わった。次の時間は自習らしい。
「なあ、ハンナ。 この『自習』って何? まだ、ほとんど授業の内容も進んでないのに自主的に勉強することもないんだけど」
「……」
ハンナからの反応がない。
お休みの様子だ。
……まあいいか。
「ヒロト君は自習の時間を使って、お気に入りの女の子を見つけたらいいんですよ」
「いたのかベルデ」
「ずっといましたよ。ヒロト君が他の人としゃべっていたら私は空気になっていますが」
「自虐的だね」
「事実ですから」
僕がずっと他の女子としゃべっていたことを、ベルデは少し拗ねているようだ。
拗ねていたところで、彼女でもないコイツには、気を遣う必要もないので楽だ。
「それにしても、ノアさんはすごくかわいいですね! 私のかわいい女の子リストの中にある写真はチェックはしていたのですが……。実物のかわいさはケタ違いです!」
本当に気を遣う必要はなさそうだ。
ノアをチラチラみて興奮している。
「あの、お兄ちゃん。この人は?」
「こいつはベルデ。僕の友達だよ」
「ベルデさんですね、よろしくお願いします」
「よ……よろしくお願い……します」
相変わらずのベルデ。
僕と話すのは平気だが、やはり他の人と話すのは苦手らしい。
「ヒロト君。こんなカワイイ子にお兄ちゃんと呼ばせているんですか?鬼畜ですね」
「人聞きの悪いことをいうな。 ノアちゃんの希望だよ」
「もうノアさんには手を出したんですか?」
「兄みたいに慕ってくれているんだぞ。襲ったりしないよ」
「なるほど、毒牙にかかっていないノアさんを見られるのは今のうちだけということですか」
「襲わないって言ってるだろ」
やっぱり、ベルデと話すのが一番調子が出るな。
「ところで、ヒロト君……」
「何?」
「もし出来れば……ノアさんのパンツを私に見せて頂けるようにお願いしてもらえませんかね」
「するか!アホ」
一体何を言い出すんだ。
僕よりも先にノアちゃんを穢そうとしているじゃないか。
「あの……お兄ちゃんのお友達なら、いいですよ」
「え!ホントですか!?ぜひお願いします!!!」
「ダメダメダメ!ノアちゃん、こいつの言うことなんて聞かなくていいから。コラコラ!ちょっと待ちなさい」
ホントにスカートをたくし上げようとするノアちゃん。
「あぁっ!ヒロト君、邪魔をしないでください! 今は見えそうで見えなさそうなチラリズムは求めていません! ノアさんのパンツであればじっくりと瞬きもせずに目が乾くまで見つめていられますから!時代はガン見ズムですよ」
「意味がわからねーよ!」
「私は大丈夫だよ。こんなに必死なのに、見せてあげないとかわいそう……」
僕とベルデがカバディをやっているような動作で攻防が繰り広げられる。
「そうです!私は必死です!お願いです妹さんのパンツの私にください!」
「誰がお前にやるものか!」
「でもノアさんはいいって言ってるんですよ」
「パンツをやるとは言ってねぇよ!」
「あの……どうしてもと言うなら差し上げますが」
「ください! ギブミーパンツ! ユアパンツ!」
「ノアちゃん、やめろ!変態に油を注がないでくれ」
「お願いです!もう3日もパンツを食べていないんです!脱ぎたてでなくてもいいんで、おめぐみを!」
「私、今日は替えの下着持って来てたかな……」
「いいかげんにしろ!!」
ここ最近で一番大きな声を出した……。
ーーーーー
「話を戻そう」
「自習の話でしたね」
ベルデの視線はいまだにノアちゃんのスカートの方をチラチラ見ているが、それくらいは放っておくしかない。
「つまり、このクラスでもいいし、別のクラスでもいいし、ヒロト君が気になる女の子を探したらいいんですよ」
「そうなの?」
「そうです」
基本、僕が中心のカリキュラムが組まれているということなんだろうか。
いつものことながら、僕に対して詳しい説明が全くないところに少し不満はあるが。
「じゃあ、他のクラスを見に行ってみるか」
「行きましょう。かわいい子がいる教室を教えますよ」
「私もついていきます」
僕とベルデとノアちゃんの3人で移動を開始した。
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