第23話 告白の返事1
「赤坂君。 あなたのことがずっとずっと好きでした。
私と付き合ってください」
三輪さんは顔を恥ずかしそうに赤く染まっている。
夕日が幻想的なほどに美しくふたりを照らしていた。
「そ、そうか」
なんてことを言ったが、俺は内心かなり取り乱していた。
ま、まじか!
いや、なんとなくはそんな感じの雰囲気を感じていたけど本当に告白されるとは。
告白されるのが初めての俺にとってはなおさらだ。
しかも小学校のころに俺の自己満足で助けた三輪さんが俺のために血のにじむような努力をしてここまで美人になったというのだから、胸に来るものがある。
「ご、ごめんね。 突然こんないろいろなことを話して。
でもね、赤坂君。 私本気だから」
沈黙に耐え切れずに三輪さんは口を開いた。
だが、その言葉を発した三輪さんの目は一片の揺るぎがない強い意志を感じられた。
三輪さんは、真剣なんだ。
だから俺も真剣に気持ちをかえそう。
でも最初から気持ちは決まっているのだから。
「ありがとう。 なんだって告白なんてされるのは初めてだから三輪の気持ちすっごくうれしいよ」
「そ、そうなの? 赤坂君モテそうなのに……い、いや、嫌味じゃないわよ?」
「うん、わかってるよ」
俺が笑顔で三輪に言うと少し照れたように頬が赤く染まった。
ただその動作だけでさえ、絵になってしまうのだからすごい。
「でも、ごめん。 三輪の告白はうれしかった、でもだ。
俺は三輪が思っているほどできた人間じゃないんだ」
「それは、どういうこと?」
そう、三輪が俺のことを好きで告白してくれたのはうれしい。
その理由が小学生のころに俺がいじめから守ったのが理由ということだ。
でも、俺はそんなできた人間じゃないんだ。
付き合う付き合わないの前に先にこれだけは絶対に言っておきたかった。
あの時俺が三輪のことをいじめから守ったのはただの自己満足のためなのだから。
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