第4話 朝後ごはん
俺の教室は三階の二年三組にある。
まだ朝礼の時間ではないのでクラスメイトのみんなは思い思いのことしていた。
友達と楽しく話している人、読書をしている人、宿題を友達から借りて必死になってうつしている人などさまざまだ。
その中でいかにもイケてる人グループ、俗に言うクラスカーストトップの中でも一際目立っている人がいた。
三輪凛という。
その理由は単純だ。
一言で言おう。
美少女だからだ。
三輪凛はとても顔が整っており、まぁ深雪ほどじゃないが(個人の感想です)うちのクラスいや、学校のマドンナ的な位置を確立していた。
そしてこれだけ美少女であるっていうことは当然モテる。
俺も人から聞いた話だがそれはもういろんな人から告白されたらしい。
野球部のキャプテンやサッカー部のエースなど、いや上げだしたらキリがないくらいたくさんの人が告白して撃沈したらしい。
よって、その告白して振られた人たちは『戦艦大和』と言われていた。
いや、不謹慎だろ!
昔の日本兵の人たちに謝れ!
っとと、そんなこんなで現状三輪凛に告白する人は誰もいないらしい。
まぁおれとは一生縁がないような人だろう。
クラスでの俺の立ち位置は普通の生徒A的な位置だ。
くっ! なんか自分で言って悲しくなってきた。
要するに陽キャでもなかったら陰キャでもない…………ないよね? ちょっと心配になってきた。
いや、陰キャではないはずだ!
そんな微妙な立ち位置を確立していた。
そう俺にはこれぐらいの立ち位置が性に合っているはずなのだ…………(ぐすん)。
そうやって俺がぼーっとしていると俺の前の席の達也がメロンパンを食べながら話しかけてきた。
「どうした総司? ハムハム…三輪さんのことをじっと見て……ハムハム……三輪さんのことを狙ってるのか? やめといたほうがいいぞ……ゴクン……勝算はないと思からな」
「勝手に勝算をなくすな。 っていうかそういうのじゃねーよ。 あといっつも思うけどまた食っているのか、朝ご飯は?」
「ん? 食ってきたぞ? これは朝後ごはんだ。 なんか食っても食っても腹が減ってなぁ、これを食べねーと昼まで持たねーよ」
朝後ごはんってなんだよ。
そう言って達也は空になったメロンパンの袋を捨て、新しくカレーパンを取り出して食い始めた。
甘いものの次はしょっぱいものかよ、どんな食い合わせだよ。
まぁ、達也はバリバリのスポーツマンで食べ盛りなんだろう。
そして達也はカレーパンを食べながら
「まぁ三輪さんは美人だからな、目が行ってしまうのはしょうがないな、俺もたまーに目が行っちゃうからな」
達也はうんうんと頷きながら理解を示している風だ。
まぁ、そうじゃないのだが、そういうことにしておこう。
その時三輪さんに俺が視線を向けたその一瞬、俺と三輪さんの視線が合ったような気がした。
そしてちょうど達也がカレーパンを食べ終わった時ぐらいにチャイムが鳴り今日の学校の授業が始まった。
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