失ったものを埋めるように…。(中学編)

母を亡くして、姉が生活費を稼ぎに行ってくれて遅くまで一人でいた私は、友人への依存が凄かったのを今でも覚えています。


当時、プリペイド式の携帯電話を使っていた私。


中学で、1つ上の先輩が好きでした。先輩には、同い年の彼女がいました。依存心が強かった私は、先輩に彼女がいるのをわかっていながら電話をしたりメールをしたりしていました。凄く優しい先輩で、相手をしてくれました。それは、先輩が中学を卒業するまで続きました。


そして、先輩がいなくなった後は、時々、仲が良かった友人と夜の11時過ぎまで、友人の家の近くで話をしたりしていました。そんな私は、目をつけられていたようで帰り道。ある日、自転車に乗った男の人に声をかけられます。

「高校生?」嘘をついて、「はい」と言いました。「じゃあ、遊ぼう」と言われて「無理です」と走って逃げたら、追いかけられます。家がバレたくなくて私は、必死で回りながら走ります。でも、相手は自転車で何度も追いかけてきました。

怖くて、堪らなくて、こんな時間に出歩いていた自分を責めました。

もう駄目だって思った時でした。「○ちゃん、塾とか行ってたの?」

先輩の友人に、偶然会いました。

「いえ」

「そうなの!遅くまでいてたんだね」

「はい」

先輩の友人と話しているとさっきの自転車の男が睨み付けて通りすぎました。

「知り合い?」

「ううん。知らない」

「それならいいけど!こんな時間までいたら危ないよ」

男が見えなくなるまで、その人と話していました。

「気をつけて帰りなよ」

「はい、さようなら」

私は、走って帰りました。もう二度と夜遅くまでいないと決めました。それからは、7時か8時までに帰宅するようにしていました。

先輩の友人と会った事により、先輩への気持ちが再燃した私は、「最後にするから」と電話してしまいました。「好きになれなくてごめんね」って言葉は、凄く重かったです。

そして、依存相手は友人に変わっていきました。

ある日、友人と遊んでると変質者に遭遇しました。

冬の寒い時期です。時刻は、昼間。公衆電話に入って話しをしていた私達。ふと反対側の公衆電話から、コンコンって音がしました。

「公衆電話使うんじゃない?」

「あっちも使えない?」

「あれは、旧式だから」

何て話して私達は、電話BOXからでました。

「どうぞ」

そう言った私達におじさんが近づいてきました。何やらゴニョゴニョ言ってきます。

「何ですか?」

私と友人は、聞き返します。すると、おじさんは「見ててくれる?」って言うのです。私も友人も顔を見合わして首を傾げました。何を言ってるか意味が全くわからなくて何でおじさんが電話してるのを見なくちゃいけないのかと思ったんです。

そしたら、おじさんは私達にもう一度、言ってきます。今度はハッキリと聞こえる声で、「一人でするから、反対側の電話BOXから見ててくれない?」私は、友人はそれがどんな意味かを理解しました。

「いやー、無理無理。無理無理」

叫んで、私達は自転車に飛び乗りました。「待って、見ててよ」ニヤニヤ笑っておじさんが言ってきました。私と友人は必死で逃げました。

もう、公衆電話で話すのはやめよう!私と友人は、そう決めました。

依存心は、どんどん強くなっていくせいで私は友人とよく衝突しました。喧嘩も凄くして、最後は絶好になったりしました。

今、思うと重たかったんだと思います。友人に何を求めていたのかはわからないけれど…。母親を亡くした穴を塞ぎたかったんだと思います。

その気持ちは、消える事がなく高校生になります。


一人で遅くまでいるのがわかったのか日曜日に家にいたら知らない男が朝方やってきました。ガンガン扉を叩き、ガチャガチャとドアノブを回し、怖くて玄関に行ってチェーンをゆっくりかけました。ふとしゃがむとポストからこっちを見ようとしてるのがわかって、私は口を押さえてキッチンにゆっくり戻りました。そして、震える手で友人に電話をしました。暫くして、男はいなくなりました。その一度だけしか来なかったのですが…。友人も一人で留守番してる時に来たと言っていました。当時、周辺で流行っていたそうです。開いたら、入ってきたのかな?今、思い出してもゾッとする出来事です。


高校生の頃は、また別で書きます。




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