第8話:彼女の気持ち・隠岐那 珠衣
私にとって
あの時は本当に怖かった。
私がいくら拒否しても諦めてくれなくて、しまいには強い言葉で拒否をしたのに急に腕を掴まれて、ビックリするくらい力が強くて本当に怖かった。
人通りの少ない道だったから助けを求めても誰もいなくて絶望した。
そんな時に私を助けてくれたのが坂槙くん。
彼に興味を持った私は強引だと思ったけど、お礼と称して彼のお家にお邪魔することに成功した。
彼にご飯を作ってあげようとした時、ジャーマンライスって言われて焦った。
だって聞いたことのない料理だったから。
料理サイトを見て、これでいいかと聞いたら彼の食べたいものが少し違ったのには泣きそうになった。
彼のいう特徴でレシピを検索していると本当はインディアンオムライスのことだった。彼が間違えて覚えていたみたい。
でも、何とかなりそうな感じだったので頑張って作った。
始めて作る料理だったから自信はなかったけど。
彼は『美味しいです』と言ってくれた。
すごく嬉しかった。
その後も彼とお喋りをして、彼もラノベを読んでいると言うことで話が弾んだ。
帰り際に彼と連絡先の交換をした。
彼は年下なんだけど包容力がある。
話をしていても、すごく落ち着く。
時々見せる。年相応の感じ。可愛いらしい。これは秘密。
時々、彼のお家に行きラノベの話をしたり、料理を振る舞ったりしている。
大学の男子といるより彼といる方が楽しい。何故か彼らの視線は不快。
ここにいる間は本当の自分でいられる。そう思えた。
坂槙くんが夏休みを迎える頃、私の通う大学はすでに夏季休暇に入っていたので彼のお家で過ごす事が増えていた。
家財道具が揃っている彼のお家は私の部屋より快適に過ごせる。
何と言っても坂槙くんがいるしね。
その頃、彼を訪ねて女の子がやって来た。
そのモデルのような綺麗な女の子は『ただいま』って言った!『
坂槙くんが『いらっしゃい』って言ったってことは、家族じゃない!?
私は混乱した。
彼女がいたの?
坂槙くんが私のことを紹介してくれているのに頭が追いつかない。
えっ、彼女じゃない、の……
内心ですごくホッとした。
表情には出さない。
彼女、
彼女も坂槙くんが好きなのかな?
それから少ししてもう一人、
彼女は坂槙くんを兄のように思っているみたい。
元気な女の子。
うん、私も妹ができたみたいで嬉しい。
こうして四人で過ごす時間は楽しい。
みんなで坂槙くんのお家にお泊まりするようになった。
彼が私たちを意識していないのは分かる。
ちょっぴり揶揄ったりもしている。真っ赤になって慌てる坂槙くん、可愛い。
でも彼は私たちに手を出してこない。
そこは信頼している。でも、ちょっと不満。
多分、私は坂槙くんに恋をしている。
彼と付き合えるのならもっと尽くそう。
もしこの想いが叶うのなら、その時は彼のことを名前で呼ぼう。
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四話でジャーマンライスとインディアンオムライスを遥希が間違えて覚えていた辺りの
大体今回の流れなので改めて読み返さなくても大丈夫です。
申し訳ありません。
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