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「どう……? ちらし寿司、溶けた?」
「いやガチガチだな……中心まで凍ってそうだ。マジで何が起こったらこんなことになるんだよ」
「仕方ない。火であぶって溶かす」
「やや物騒だけど仕方ないな」
「火種にマッチが一本ある」
「それ一本じゃ火力が足りなさそうだが」
「ロウソクに火をつけて火力を増やす」
「よくロウソクなんて手元にあったな」
「メガネについてたから」
「そういや本物だったなパーティーメガネについてたやつ!! なんでこう都合よく活用場面が来るんだよ!?」
「すべては最初から仕組まれていたことだから」
「ちらし寿司が凍るとこまで想定内だったと?」
「そういうことにしておけば私のインテリジェンスがうなぎ登り」
「インテリジェンスのある人間は青紫色の耳あか出したりしないと思うんだよな」
「その減らず口も実際溶かしてしまえば沈黙するしかあるまい。着火。下からあぶる。とぉーっ」
「…………溶けないが」
「木桶だったので熱伝導率が死んでいた」
「インテリジェンスのカケラもねえよ」
「カケラなら」
「耳あか禁止」
「しょんぼり」
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