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「耳かきが完了した」


「おう。すっきりしたわ、ありがとう」


「というわけで」


「逃げる」


「なぜ」


「回り込まれてしまった! ゴキブリみてーな俊敏性だな」


「ちらし寿司をまだ食べていない」


「それを食いたくないからだよ」


「せっかくおいしく作ったのに」


「ひとついいことを教えてやるな? 耳の穴に味覚細胞は存在しない」


「じゃあお尻から食べる?」


「なんでそう奇想天外な穴に飛ぶ? ワームホールか?」


「恋は下半身でするものだから」


「百年の恋も冷めるわ想い人の手料理をケツから食ったら」


「ちらし寿司もずっと放置してたから冷めちゃった」


「いやちらし寿司は冷めた状態で食うもんだろうが」


「でもほらこんな、冷えすぎて凍っちゃった」


「ちらし寿司がガチガチに凍ってる!? 何があったら常温で放置してこんなことになるんだ!?」


「ミントたくさん乗せたから……」


「ミントのスースーする作用は別に実際に冷やしてるわけじゃないんだがなぁ!?」

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