15 VS竜堂1


「よし、お前はもう一回盾になれ」

『私を使いつぶすつもりですか?』

「うーん……俺が殺されるよりはマシだし、お前ってたとえば粉々になったとして、復活はできないのか?」

『一定時間経過後に、あなたの精神力によって再具現化が可能です』

「よし、消えてなくなるわけじゃないんだな。じゃあ、盾役決定だ」


 俺は幻想体に言った。


「要は、時間を稼いでくれればいいんだ。その間に俺が奴に【殺人チート】を叩きこむ」

『……承知しました』


 多少不服そうではあったが、おとなしくうなずく幻想体。


『私だって攻撃を食らったら痛いんですけどね』

「……お前、やっぱり拗ねてる」

『いいえ?』


 本当か?


「よし、さっそく作戦開始だ」




「【穿て】!」


 竜堂が【穿孔】を放つ。


 俺の前に立った幻想体エルギアスが体を張ってそれを防いだ。


『ぐあ……っ』


 苦鳴らしきものをもらす幻想体エルギアス。


 悪いな。

 だが、よく防いだ――。


 集中する。


 今までの一方的な『殺戮』ではなく、これは初めての『殺し合い』だ。

 竜堂にはその経験値があるかもしれないが、俺にとっては初めての経験だった。


 落ち着け。

 落ち着け。


 自分に言い聞かせつつ、さらに集中力を高める。


「死ね……っ!」


 そして、ありったけの殺意を竜堂に向けた。


 第一の、基本の能力形態――【爆殺】。


 がおんっ。


 何かが削れるような音が響いた。


 ばしゅっ。


 何かが吹き散らされるような音が響いた。


「なんだ――?」


 竜堂は生きている。


「今、なんらかの能力を撃ってきたね。大方、学内で大量殺人を行った力なんだろうけど――俺には通用しないよ」

【殺人チート】が効かない……!?


 同じ能力者には効かないのか?

 それとも……あいつの能力で俺の能力を防御した……?


「俺の【穿孔】は攻撃だけじゃない、防御にも使える」

「……わざわざ能力内容を教えてくれるとは親切な奴だ」

「親切とかじゃないさ。正々堂々と戦いたいだけだ。これは殺人ではなく『正義の裁き』。俺は正面から君という悪を打ち砕く――」


 竜堂が微笑む。

 嬉しそうな顔をしている。


『正義の味方』として『悪』である俺を打ち倒すのが――殺すのが、楽しくてたまらない様子だった。





***

〇『武術の神』と呼ばれたじいさん若返る。10歳の美少年になって無双&ハーレムの二周目人生を堪能します。

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