最終話 後輩
翌日の放課後──室内プールの横ある休憩室に向かった。少し早く着いたので、俺はベンチに座り凛ちゃんを待つことにした。
──少しして、プールで泳いでいたのかラッシュガードを着た凛ちゃんが、休憩室に入ってきた。
凛ちゃんは「あ、先輩。お待たせしました」と、言って俺の前に立つ。俺は立ち上がると「早いね」と返事をした。
「何だか、落ち着かなくて……」
「そっか……昨日の返事の事だけど──」
俺がそう言い掛けると、凛ちゃんは慌てた様子で両手を振り「あわわ……ちょっと待ってください先輩!」
「どうしたの?」
「その前にちょっと見て貰いたいものがあるんです!」
凛ちゃんはそう言ってラッシュガードのチャックを下ろし始める──そして、バ~ン! っと、赤くてセクシーなビキニを披露してきた。
俺はそんな凛ちゃんをみて、カァァァ……っと、恥ずかしくなり、目を逸らす。
「ちょ、凛ちゃん。それで泳いでいたの?」
「そんな訳ないじゃないですか。先輩、こういうの好きそうだな~って思って着替えて来たんですよ」
「そうなんだ……ありがとう」
凛ちゃんは両方の胸に手を当てながら「私……先輩たちみたいにスタイル良くないから、こういう事ぐらいしか出来ないし……」
「そういう事かぁ……とりあえず恥ずかしくて、凛ちゃん見られないし、その……他の人に見られたくないから、チャックを閉めようか?」
凛ちゃんは「えー……せっかく着たのに、仕方ないですね~」と、面倒臭そうに言いながらも、嬉しそうな笑顔を浮かべて、ラッシュガードのチャックを閉めた──。
「凛ちゃん、返事の事だけど良いかな?」
「はい……」
凛ちゃんの顔がキリッと真剣になる。俺は大きく深呼吸をしてから口を開いた。
「凛ちゃんは大胆で積極的で……可愛くて、とても優しい素敵な女の子だと思います。だから……無理して俺の為に何かしなくても、俺も凛ちゃん事が好きだから、大丈夫だよ」
俺がそう告白すると、凛ちゃんは俺に近づき──抱きついてくる!
「先輩! 嬉しいです!! でも、無理している訳じゃないですよ? 私は先輩の為に何かする事で、幸せな気持ちになれるんです!」
「そうなんだね、分かった。ありがとう」
「はい! ──先輩! 大~好き」
こうして俺と凛ちゃんは結ばれ、モテまくり騒動は無事に幕を閉じた──。
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