第6話 暗殺対策と、魔力アップと、回復魔法
次にやるのは、暗殺対策だ。
アーモ伯爵は俺が弱者で逆らえないと分かっているから、今まで殺さないでいたぶるだけにしてきた。
俺が爵位を持つと万が一という可能性が生まれる。
アーモ伯爵が俺をどれだけ脅威と認定するかは分からないが、最悪は殺し屋を差し向けると思った方がいいだろう。
対策は必要だ。
以下、魔法手引書の抜粋だ。
――――――――――――――――――――――――
こんなプログラムがある。
void main(void)
{
char mana[113];
}
これは俺の魔力をイメージしたプログラムだ。
言わずと知れた113魔力だ。
char mana[113];
void main(void)
{
}
じゃあこれは。
プログラムではこうすると特別な領域に変数が確保される。
俺はこの特別な領域を外部だと思う事にした。
呪文はイメージだからな。
何が言いたいかと言えば最初のは自分の中の魔力。
二番目のは外の魔力。
簡単に言えば自然界の魔力だ。
――――――――――――――――――――――――
とこう書いてあった。
それでプログラムが載ってたので自分用に改造。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
extern void time_wait(long time_ms);
char mana[1000000]; /*自然界の魔力100万*/
void main(void)
{
FILE *fp; /*魂の定義*/
char s[256]; /*読み出し領域*/
fp=fopen("スチソノイス.soul","r+"); /*俺の魂を開く*/
while(fgets(s,256,fp)!= NULL); /*読み込みとループ*/
/*読み込みが終わっている。要するに最後の場所*/
fwrite(mana,1,sizeof(mana),fp); /*最後の場所に魔力を付け足す*/
fclose(fp); /*閉じる*/
time_wait(60000); /*10分待つ*/
}
このプログラムは魔力を増やすプログラムだ。
これで俺は100万の魔力を得た事になる。
魔力が増えるとどんな利点があるかというと、魔力の反発が強くなる。
実は魔力の反発は力技でなんとかできる。
沢山の魔力を使った魔法を当てれば良い。
これは徐々に染み込むような感じなので、強ければ強い程、突破の割合が増える。
魔法だとダメージ量が増える感じだ。
魔力を増やすと反発が大きいので防御力が高まる。
今の平民の平均魔力は100。
貴族は5千ほど。
俺は素の魔力は162だ。
平民としては多い方。
風の魔法と呼ばれているのは、実は魔力による念動力だ。
魔力が高いとこれなんか完全に防げる。
100万もあれば無敵だ。
余波の熱とか物理の衝突はどうにもならないがな。
魔力を強化したら、次は傷の回復だ。
まず、下準備としてバックアップを取る。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
void main(void)
{
system("copy スチソノイス.body スチソノイス.bbak"); /*俺の体のバックアップを取る*/
system("copy スチソノイス.soul スチソノイス.sbak"); /*俺の魂のバックアップを取る*/
}
そして回復。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
void main(void)
{
while(1){ /*無限ループ*/
system("copy スチソノイス.bbak スチソノイス.body"); /*俺の体を治す*/
}
}
『スチソノイス』は俺の神秘魔法名だ。
この世界の人間は魂と体で構成されているらしい。
体のバックアップを取っておいてコピーする。
常時これをやると、即死でない限り復活する。
これなら腹を刺されたぐらいではかすり傷程度だ。
さて、お次は、攻撃魔法が使えないから筋力だな。
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