光と共に消え……ぬ


「おやおや……逃げるしかありませんね」

 大勢の警察官が囲む中。紳士の如きスーツ姿の怪盗は、胸を飾る花に手をやり宙へ投げた。──瞬間、目映い光が全員の視界を奪う。

「く……っ奴はどこだ?!」

「警部、向こうに人影が!」

 指を指した若い刑事は、一斉に走り出した背中を見送りそっと笑った。




【お題:目眩まし】

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