夜を彩る花の下で


 色鮮やかに爆ぜる音は、一瞬にして皆の視線を空に拐った。盆踊りの輪も屋台を巡る人混みも、誰もが花火に歓声をあげている。僕ら以外は。

「……バレなかったかな」

「た、ぶん」

 ラムネみたいに刺激的で、りんご飴より甘い、人目を盗んでの口付け。初めての浴衣姿が、僕らを少しだけ大胆にさせた。




【お題:祭】

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