Chapter Ⅶ “ 後を頼むよ”


 あからさまなパンチドランカー状態。頭痛に吐き気に身体のしびれ、頭のなかではチカチカと星まで瞬いている。それでも、へばってなんかいられない。



 構図は変わらず。狂った女の手元には、いぶし銀のダブルバレル。その矛先は、散弾にぶん殴られて這いつくばる俺へと向けられていた。それでも有利なのは俺たちの側だった。


 控えめにいっても女は進退極まっている。逃げ場のない閉所空間に、残弾の心もとないショットガン。血走った目がどうにか復活を遂げつつある俺と、机を挟んで対角線上、油断なくP90を構える青髪ハッカーとの間をせわしなく行き来していた。





「ここはアタシの家だ!! アタシの家なんだよッ!!」





 遺体安置所から抜け出してきたようなこけた頬。栄養失調も無論あるだろうが、それだけじゃあるまい。



 幻覚、妄想、それに記憶障害。どれもが重度のヘロイン常習者の典型だ。なるほど、俺たちはまだしも恵まれた避難生活を送っていたらしいな・・・・・・最後に打ってからしばらく経ってる、禁断症状でえらく気が立っていた。





「撃たれたら撃ち返しますので、そのおつもりで」





 ただの不良少女とはとても信じられない、冷ややかなピグの宣告。だが相手は脅しどころか、言葉が通じるかすらも怪しかった。


 いつもなら即座に反撃する場面。だがいまは咳き込みながらヒャクメを外し、新鮮な空気を求めてもがき苦しんでいた。俺が人質役とは、大いに腹立たしいこったな。

 




「な、なんの騒ぎ――うわッと!!」





 勢いあまって飛び込みかけて、あわてて戸口の陰に隠れてく巡査部長。おそるおそる、剣呑すぎる膠着状態に声だけが投げかけられる。





「あー、その、大丈夫かね?」





「問題ねーですよ。恐ろしく老けてる40代か、見た目どおりなら60絡みのアフリカ系女性。手には12ゲージの2連式ショットガン、残弾は1。そんな相手とすこしばかし銃口の見せ合いっこをしてるだけですから」





「黙れッぇっ!!」





 女の裏返った叫びは、余裕の無さのあらわれだ。捨て鉢になった相手は、何をしでかすかまるで予想がつかない。一周まわって、こいつは人形よりもタチが悪い。





「な、なんだね・・・・・・とりあえず話し合いは如何かな?」





 望んでもいないのに交渉役に仕立てられた、巡査部長からの腰が引けたコメント。現場仕事が不得意ってのは、どうも嘘でも誇張でもないらしい。





「申し訳ない。まさか先客が居るなんて――」





「アタシの家だッ!!」





「分かってる!! 分かってるとも!! だけども、君だって分かっているだろう? 本当の敵は同じ人間じゃないってことぐらい」





 まったくもってその通り。だが正論ほど通じないのも、また人間という生き物のサガというものだ。





「げほっ・・・・・・下手こいたな」





 巡査部長が良い警官なら、俺はさしづめ悪い警官ってところか。込み上げてくる咳を封じ込めながら相手を刺激しないギリギリのところまで、どうにかこうにか上体を起こしていく。


 



「さっきの銃声、どこまで響いたと思う?」





 最近は耳が遠くてねぇなんてボヤいてる巡査部長すら、慌てふためいて駆けつけてくるほどの大音量。警察との提携で奴ら、発砲音のモニタリングなんかもしていたからな。人形の鋭敏すぎるセンサーは、絶対に誤魔化せやしないのだ。


 ネゴシエーションは専門外だが、人質交渉チームGNAがどうやって容疑者を説き伏せるのか、うんざりするほどライフルスコープ越しに見守ってきた。そこで得た教訓とは、“時がすべてを解決してくれる”ってただ一点のみ。


 疲労が重なると気力が萎え、次第に怒りもおさまってくる。ネゴと心理カウンセラーの違いは、せいぜい腰から銃をたれ下げてるか否か程度。ひたすら相手の身の上話に耳をかたむけ、ときおり相槌を打ってやるだけでどんな奴もコロッと落ちる。だが生憎と、今もっとも足りてないのはその時間だった。


 正直、少し焦っている。最初はまず1、2体、そいつらとやり合ってるうちに他の人形どもが津波のように惹き寄せられてってのが、いつもの敗北パターンなのだ。


 刻一刻と迫るタイムリミット。ここで全滅なんて冗談じゃない、その点はあちらも同意見のはずなのに・・・・・・どうしてか女はニタニタ笑い出したのだ。





「あ、あんたは、何もわかっちゃいない」





 脳みそがスポンジになったせいで、現実がちゃんと認識できていない? だがあの笑み、むしろ理性を取り戻してるようにも見える。なんだ? 何を隠してやがる?





「よし・・・・・・」





 ヒーロー気取りからもっとも縁遠い中年オヤジの、覚悟の呟き。両手掲げた降伏のポーズで戸口に躍りでた巡査部長は、さっと己に向けられた黒光りする銃口に青い顔を隠さない。その首元には、民警のバッジが揺れていた。





「交番の外から助けてくれって。なのに私は、扉を開けようとしなかったんだ」





 唐突な自分語り。後悔を隠さないその語り口に、どうすべきか女も悩んでいる様子だった。





「必死にドアノブにすがりついて、頼むからあっちに行ってくれと願っていた。市民を守る警察官なのにね」





 腐敗まみれのこの街で、そんな後悔を滲ませるだけでも大したものだ。そもそも人間には出来ることと出来ないことがある。訓練された俺ですらペトラを守るのに精一杯だった。中途半端に職務をこなそうと考えようものなら、人形にくびり殺されたのがオチだろう。


 それでも別の可能性があったかもしれない。その可能性ってやつが、いつだって人の心を苛む。





「昔、テレビでやってたよ。ペットが飼い主に似るように、人形もまたオーナーとそっくりになるらしいって。どうして彼らが反乱なんて仕出かしたのかサッパリだけれど、もしかしたら・・・・・・人類の悪い部分を真似てしまったせいなのかもしれないね」





 暴力でなく信頼を。





「その轍を、いまさら繰り返す必要なんてないだろう?」





 そう訴えかける巡査部長の必死の説得を、





「何をしようが無駄だよ」





 女はあっさり一蹴していく。





「鹿の王さまが来るよ・・・・・・」





 意味不明な戯言を、さながら勝利宣言かのようにジャンキー女が告げていく。真相はどうあれ――付き合っていられない。


 ピグにだけ見えるよう、すでに手信号の会合を終えていた。カウントはみっつ。指先で“3”と告げるなり、背丈は低めでも脚力は十分すぎるチビ女が、おもいきりテーブルの脚を蹴飛ばしていった。俺個人としては、あの女の脳幹を5.7mm弾で断ち切れって指図したつもりなのだが、まあ気の合わない者同士のチームワークなんてこんなものだ。


 机の角におもいきり脇腹を抉られ、反吐を吐き散らしていく女。その頃すでに俺は、抜銃ドロウを終えていた。


 作戦におうじて長さを調節できる、分割式サプレッサーことMOD-X9。M&Pの銃口にひっついたその最小単位が、カシュ、カシュっと短く吠えていく。


 寝そべりながらまず2発。すぐさま跳ね起き、トドメに頭にもう2発。絶命した女の手からショットガンを蹴飛ばし、やっと一息つく。そんな俺を巡査部長が無言で見つめていた。





「なんで撃ったんだい・・・・・・」





 責めてるというより、気落ちした語調。中途半端な残弾数になったマガジンを入れ替えながら、その問いに答える。





「先に撃ったのはあっちですよ」





「でも、君は生きているだろう?」





「ええ。たまたま、偶然にも、弾が防弾エリアに当ってくれたお陰でね」





 出鱈目だとしても殺意はあった。現にヒャクメの表面からはパラパラと、潰れた散弾がいまもこぼれ落ちていた。





「大を生かすためには、小を切り捨てる覚悟もときには必要です」





「・・・・・・」





 この認識のズレは一体どこから来たのか。民警と軍警の組織体質の差か? それとももっと根源的な、人間性の違いだろうか。俺の発言をしばし噛み締めていた風の巡査部長が、やおら言う。





「その言い草、すこしシスターに似てきたよ――それでも警察官か」





 互いに踏み込みすぎだと自覚しながらも、譲れない一線がせめぎ合っていた。珍しい、いや初めてかもしれない巡査部長からのお説教。そんなギスつく空気を押しながしたのは、我関せずを地でいくピグの冷ややかな声音だった。





「喧嘩は後ほど。生きて帰れば、好きなだけやれるですよ」





 まったくもってその通りだった。さっさと管制室を後にしていった青髪ハッカーに続き、漂ってくる血臭に顔を顰めてから、ほどなく巡査部長もまた出口へと向かい、俺だけが取り残された。ここにもう用はない、だが這いつくばってる時に目撃した違和感が、俺の足を止めていく。


 最初はカビだとばかり。だがM&Pに取りつけたウェポンライトを灯してみれば、天井いっぱいに描かれたウォールアートが視界に広がっていった――絡みあう角をほうぼうへと伸ばしてる、化け物じみた鹿のペイント。


 ただのヤク中の妄想。そう切って捨てるには、どうしてか胸騒ぎを覚える。





††††††





「出発だッ!! 総員乗車ッ!!」





 ああも高らかに銃声を響かせておいて、いまさら声を潜めてなんになる。意思疎通を最優先、こうなったら一刻も早くここを離れるしかない。だから叫ぶ。





「一体なにがッ!?」





「俺の指示が聞こえなかったのか!!」





 トラムに背を向け、ひとり逆走してくるソフィア。


 後方支援が主な機関銃手マシンガンナーと衛生兵は、新人に場馴れさせるにはぴったりの役職だ。だからこそソフィアが掲げてるメッセンジャーバッグには、サインペンで十字模様が刻まれていた。





「でも血が・・・・・・」





 だが今の俺には、救急バックなんて必要ない。





「俺のじゃない」





 説明できる状況じゃない。金髪褐色娘の背中を押して、兎にも角にもトラムを目指す。


 その名の由来となった無数のレンズのおかげで、ヒャクメの視界はフルフェイス型にしてはすこぶる良好だ。それでもまだ頭がグラついてる。あの閉塞感は、いまはちょっと耐え難い。被るのは諦め、メットを腰元のカラビナに接続してひたすら走る。ようはさっさと逃げれば、良いだけだ。


 先頭を務める機関車からして、出力優先の輸送仕様。運転手以外の搭乗スペースなんてありはしないし、その点はコンテナまみれの貨物車だって似たようなものだ。貨車と貨車をつなぐ連結器、その上にある剥き出しの足場ぐらいしか行き場がない。おざなり気味だが一応手すりはあるし、コンテナの天井にへばりつくよりはずっとマシだろう。


 それも先頭から順に埋まっていき、最後には残されたのは・・・・・・あの因縁深い民警の輸送用車両のみ。


 勢いあまって警察バッジを放り捨てたのは、早計だったな。あれさえあれば、遺体袋と同席とはいえ安定した車内に居られたものを。





「手をッ!!」





 修道院でもサッカーに明け暮れていたという、一足先にステップに飛び乗ったスポーツ少女が手を差し伸べてくる。





「バカ言え、お前の倍は重いぞ」





 そこにプラス、装備の重量まで加算される。下手したら2人揃って転落だ。


 磁石の反発力と吸引力が車体重量と釣り合うまで、トラムは浮かべない。まずは助走が必要。小さなタイヤが車両を引っ張り、その微かな振動が、でっぱりに載せたばかりの俺の足を滑らせる。




 

「ほんとに重っ!!」





 まだダブルバレルの衝撃が響いているらしい。あんなこと言っといて、その矢先にあわや転落。そんな無様をさらす俺のプレキャリを、ソフィアがとっさに引っ掴む。


 なんとか昇れはしたが、勢いあまって人の胸ぐらに突っ伏したまま、どうしてか金髪頭は動こうとしなかった。小さな足場で、しばし抱き合う。



 


「ぜんぶ、自分だけで背負い込もうとするから・・・・・・」





 胸元から聞こえる、ぐすぐすとした涙声。





「そんなに信用できないっすか? ウチらのこと?」





 結果はどうあれ、どんな決断も己の身に帰ってくる。そこに他人の介在する余地はない。俺に信念があるとすれば、これだけだった。





「別に、お前が気に病むことじゃない」





 どうにも苦手な雰囲気。俺のおざなりな慰めの言葉に答える寸前――その姿が視界から消える。


 馬鹿が、どうして気づかなかった? あの管制室で暮らしていたのは3人親子。娘は死に、ヤク中の女房もくたばった。じゃあ隔壁を封鎖してここに閉じこもると決断した旦那は、一体どこに消えたのか?


 あからさますぎるヒントは、おもえば事のはじめから提示されていた。どうしてか車両基地に通じる左の隔壁は閉じられ、右側は開いていた。火災警報のせいなら両方閉じられてなければ、理屈に合わない。


 何十という途中駅を経て、いずれは地上までたどり着くことができる右ルート。娘が死んだ時期は不明だが、まさかそれからずっと開けっぱなしだったというのは、ないだろう――では誰が?


 ソフィアの足首を掴んで車体下へとひっぱり込んだのは、ボロ布を羽織り、伸びっぱなしの髭で顔の大部分を覆っているアフリカ系の中年男。獣のような表情で睨まれたとおもいきや、3Dプリンタ製とおぼしき樹脂製サブマシンガンが俺を狙う。


 ミシンよろしくな、途切れのない射撃音。着弾の火花に追われるようにして、俺もまた足場から転がり落ちていった。





「ひとり捕まったッ!!」





 すべて順調かと思えば、急転直下でなにもかもが狂い出す。これぞ実戦だな。


 受け身をとってもそれなりの高さ。肩からの激痛に顔を顰めつつ、どうにか手元にライフルをたぐり寄せる。リニアならではの塹壕みたいに小高い溝型線路が、逃亡を図る男を足止めしていた。


 タイヤが通りすぎるのを待って、横倒しの射撃姿勢アーバンプローンをとる。ソフィアを強引に押し出し、つづいてみずからも線路を乗り越えようとした男の足首めがけ、照準器COMP M5の赤ドットを慎重に重ねる。ゆっくり停車していく、トラムの下部からの一撃。





「ぐぅッ!?」





 強力無比なガリルの6.8mm弾が、やつのくるぶしを根こそぎ抉りとる。だが修羅場でバカになると、あんな重傷でも走りまわれてしまうのが人間の底力というもの。


 もっと射界が広ければな、頭をぶち抜いてやったのに。歯噛みしながらすぐさまロールして、奴の背中を追いかける。


 どうせあの怪我じゃ、遠くにはいけまい。せっかくの掩体を無駄にする手はないと、溝型線路ガイドウェイの表面にガリルを預け、狙いを定める。男はソフィアのやつの首根っこ掴んで、足引きずりながら必死こいて荷下ろし場に逃げ込もうとしていた。


 屋内で必要かどうか悩みはしたが、それでもスコープを載せといて大正解だ。進退極まり振りかえってくるホームレス風の男と、鼻から血をだらだら垂らして、喉元に腕を巻きつけられてる人間の盾状態のソフィアが、Z字型なんて際物のD-EVOスコープの照準器いっぱいに広がっていく。


 距離はまるで問題じゃないが、フラつく視界にイヤらしい立ち位置の標的タンゴと、悪条件が重なっていた。野郎、意識して射線を遮ってやがるな。





「待て待て待て!!」





 すでにトラムは完全停止していた。叫びながらこちらに駆け寄ってくる巡査部長をはじめ、ローンウルフの面々もまた車両から飛び降り、各々の得物をすぐさま構えていく。こう着状態ふたたび、か。





「なあ頼むよ。こっちだ、こっちを見てくれ、な!?」





 自家製サブマシンガンを背中に突きつけつつ、自分はといえば全身のシルエットを、うまいぐあいに金髪褐色娘の裏に隠していた。抜け目のないやつめ。顔でも凶器でも、ちょっとでも外に飛び出していたなら、とっくにケリはついてものを。どうにも元本職臭い。


 いつでも撃てるよう引き金トリガーに指をかけつつ、巡査部長にだけ聞こえるよう囁く。





「・・・・・・平和的な解決策を試す時間なんて、ありませんよ」





「・・・・・・分かってるとも」





 さきほどの出来事がまだ尾を引きずってるらしく、巡査部長の声は暗い。それでも獣のような男の尊顔とソフィアの泣き顔は、この不良中年もちゃんと認識してるようだ。


 


 

「・・・・・・ピグくんが今、横から回り込んでる」





 勘付かれないよう、周辺視野だけで事実かどうか確かめる。なるほど、音を立てないようブーツを脱ぎ去った小柄な人影が、コンテナの狭間を風のように駆け抜けていった。





「時間を稼ごう・・・・・・願わくば、向こうも折れてくれるかもしれないしね」





 そいつどうかな。どうも情が移りすぎたらしい、奴を殺したくて仕方がない自分がいた。


 口の中でもごもご交渉の文言を組み立てて、いざ巡査部長が話しだそうとした矢先、またしても先手を取られてしまう。





「妻はどうなったッ!?」





 中年男のみじかい叫びが、巡査部長の心にクリティカルヒットしていった。まるで稲妻にでも打たれたように、その動きが固まってしまう。





「彼を知ってる」





 ポツリと吐かれた呟きに、おもわず聞き返しそうになる。まさか知り合いなのか?





「一緒に交番に詰めてた私の部下だよ。ぜんぜんソリは合わなかったが、それでも・・・・・・」





 もしかしたら、俺もどこかで会ったことがあるのかもしれない。2年という短くも重い歳月が、あまりに多くの人生を狂わせていた。


 口ごもる俺たちを見て、どうも答えを察したらしい。何度も何度も、悟ったように首肯してから男は――小さな赤い笛を口元に運んでいった。耳奥にこびりつく、遠吠えのような短い旋律。


 まさか伏兵? そんないかにも特殊部隊員じみた俺の発想は、ある意味で正しく、そして最悪の形で裏切られていった。


 一時期えらく推されていたが、立体TVが世間様に受け入れられることはついになかった。それでも実写と見分けのつかない超高解像度のホログラム技術は、さまざまな分野へと転用されていった。駅前をよちよち歩きまわってたペンギンもそうだし、シールズが採用してる光学迷彩テック・カモなんかも、その典型だろう。


 電力をえらく食うし、水にも弱い。ついでに応答速度にもまだ研究の余地があるとかで、すばやく動くと残像が発生して一発でバレてしまう。それでも止まっている限り、あのデジタルの擬態を見破るのは、かなり難しい。


 ヤムヤムのすぐ真横。あの赤いコンテナの外壁が実はくり抜かれていて、上からホログラムの覆いがされていただけなんて、一見しただけじゃ気づきようがない。あの逸れローグは、そうやってずっと息を殺して俺たちを観察していたに違いないのだ。


 あのコンテナこそが奴の――“鹿の王”の巣だ。


 ひた、ひた、ひた。ラムの天井から裸足の足音が鳴りひびく。


 スコープレンズの中のソフィア、その怯えきった眼差しが左から右へと移りゆく。ほどなく巨大な影が、俺と巡査部長を覆い尽くしていった。


 暴走人形の大半は、パターンの虜だ。どうやって動くのか習性を掴みさえすれば、躱すのはさして難しくない。だが時おり、まるで予想のつかないイレギュラーな個体が混じっていることがある。それが逸れローグだ。


 問答無用で襲いかかってくることもあれば、ジッと遠くから見つめてくるだけの奴も居る。その行動原理は千差万別。共通してるのは異様な風体と、予測不可能な特殊能力のみって・・・・・・正真正銘の怪物モンストロだ。


 振り向く勇気なんてない。それでも女の裸体にひょろ長く膨れ、ふしくれだった手足がひっ付いてるのは、その人影からすぐ確認できた。サイズは少なく見積もっても4、5m前後。直視しなくとも怖気が走る、異様すぎる外観。


 あの夫婦、まさかずっと逸れローグと共存していたのか? 奴らへの対処法に最適解なんてない。個体差があまりに激しすぎるのだ。事故に遭うようなもので、最終的には運が悪かったのだと割り切るしかない――犠牲になるのが自分でないなら好きに言える。


 ゆっくりと、音を立てないようにガリルのセレクターをフルオートへと切り替える。


 こんな大口径弾じゃ、制御なんてとてもおぼつかない。せいぜい無駄弾をバラ撒くのがオチだろうが、それでも注意は惹ける。





「・・・・・・制圧射撃をかけたら、すぐトラムの方角に」





 ギリギリまで声を潜めて、そう巡査部長に告げる。


 ブラックアウトに豚面カラデ・ポルキーノ。これまで奴らを倒せた前例は、一度だってない。この壊れた世界における頂点捕食者アーピス・プレデダードには、軍用ライフルだって歯が立たない。単なる生存確率の問題だった。訓練されてる俺のほうが、足腰の衰えてる巡査部長より素早く動ける。


 掃射してすぐ逃げる、そう難しい話じゃない。それでも胸中ですまんと、最愛の妹に謝ってる自分がいた。そんな俺の目のまえに、カタリと置かれていくダ・シルバ名義の警察バッジ。





「後を頼むよ」





 覚悟を決めると、みんな似たような顔つきになる。諦めとはまた違う、凪のように澄んだ顔。民警で採用されているインベル製のMD97LCカービン銃。そいつがいきなり、俺のすぐ真横で咆哮を上げていった。


 後を頼む、後を頼むか・・・・・・その言葉の真意をちゃんと受け止める暇すらなく、俺は駆け出していた。俺がやるか巡査部長がやるかの二者択一。それを無駄にする訳にはいかない。


 目指すはトラムの足下、もっとも手近な隠れ場所がそこだった。俺が滑り込むなり、ひた、ひた、ひたと、あの不気味な足音が車体を駆け下りていく。否応なく俺は、ついに奴の全身を目にしていった。


 だから鹿の王、か。


 ホログラム製のアバターを服のように着こなして、あの不気味な本体を奴は覆い隠してた。見た目はそう、バスサイズのヘラジカってところ。ただし木の枝のようにもつれ合うその角は、普通の動物とは一線を画していた。


 獣臭すら嗅ぐわってきそうな4つ脚の体内、レーザーの織りなす光の塗膜を突き破って、生っ白い巨腕が出現する。この駅に他の人形が見当たらなかったのは、そのせいなのか?


 ペトラはこう言っていた。マリオロイドのパーツには高度な互換性があり、ナノマシンという接着剤を介して、他の機体へと簡単に移植することができるのだと。


 だからこそのあの巨体か。何十、いやもしかしたら何百という肉と肉、無数の手足をパーツに見立てて再結合させた群体――やつは他の人形を吸収して、みずからの血肉としていたのだ。


 超然と、駅構内に立ちつくすヘラジカ。その体内からグロテスクな本性をチラ見せしながら、ガン、ガン、ガンと、鹿の王はなんども力任せに拳を叩きつけていった。その殴打音がしばらくして、水っぽい何かへと変わる。そんな巡査部長の最期を俺は、まるでクローゼットに隠れた子どものように、息を殺して見守っていた。


 コンクリを伝う、湯気立つ血潮。そいつがじっとりと俺の肩を濡らしていく。ふと隣を見やると、青い顔してガタガタと震えてるアレハンドロと目線が交わった。こいつも命からがら逃げ出してきた口らしい。


 マリオロイドは、スペックだけなら人間のそれをはるかに上回っているはず。なのに鹿の王は、真横をすり抜けていった俺に気づきもせず、何をするでもなくその場に立ち尽くしていた。それでも、その気になればいつでも覗き込める位置ではある。


 そうとも、奴がどんなに間抜けだろうが、声を出したらすぐさまアウト。だから耐水手帳を取り出して、鉛筆を走らせる。





“先頭車両に行け。這っていけば気づかれない”





 俺のしたためた文章を読み終えるなり、すぐさま少年が頷き返してきた。ただ鉛筆を寄越せというそのジェスチャーは、少し意外だったが。





“ピグは――”





 のあとにクエスチョン・マーク。


 安全を取るなら、このまま見捨てて出発するのがベストだろう。ここで俺たちが全滅すれば、食料を確保するためにまたぞろ調達班が組織しなくちゃいけなくなる。そこにペトラが名を連ねるかもしれない可能性は、シスターの性格的に絶対ないとは言い切れないのだ。


 迫るように、ギュッと俺の肩をつかんでくるアレハンドロ。怯えながらも、覚悟のうかがえる瞳。


 後を頼む、か。ソフィアの奴も、まだ向こうにいる。





“俺が合図するか、死んだら即出発だ”





 最後に付け加えた“いいな”だけは、鉛筆の芯で強調させてもらう。小僧に無茶させるぐらいなら、プロである俺がやった方がまだマシだろう。


 やや離れて、同じようにチュイとポドフスキーも車体下に隠れていた。アレハンドロが音頭をとり、先頭車両めざして、ぞろぞろ四つん這い移動をはじめるローンウルフ組。連中を見送りながら俺は、MOD-X9サプレッサーの残りの分割パーツを取り出していった。


 全部はめ込むと、銃本体よりも長くなる。取り回しは最低だが、これで最大限の消音効果を期待できるようになった。あとは、仕上げのスマホの出番だ。


 マリオロイドの電子頭脳から処理能力を引っ張るかたちで運営されていた、現代のインターネット。あの日からというもの人類は、そのMARIO.netから完全に締め出しを喰らっていた。


 そのセキュリティの強靭さときたら有名で、とくに悪名高いのは、違法アクセスしてきた対象を逆探知して、付近にいる人形で監視しつつすぐさま警察へと通報するって、その反撃能力にあった。


 奴らはある意味で、動物より本能に忠実。ローンウルフの連中が仕込んだDDoS攻撃用のハッキング・アプリとやらを起動すれば、生肉をチラつかされた番犬よろしく、あっさりスマホに惹きつけられてしまうのだ。ただしあくまである程度。奴らの優先順位的には、違法アクセスの排除よりも人類抹殺の方がプライオリティが高い。

 

 震える足を叱咤して、鹿の王が陣取るちょうど反対側へと這い出る。それから車両の隙間から、慎重にソフィアがさっきまで立っていた地点を窺ってみる。


 居た。フォークリフトの背後、そこから透き通る金髪がわずかにはみ出していた。荷下ろし場に残された血の筋からして、負傷した中年男が隠れているのは、ちょうどその対岸のコンテナか。


 どうやら完全に鹿の王を使役してるわけじゃないようだ。でなきゃ、ああして隠れる理由がない。呼び出せるが、その後の展開はやつの気まぐれ次第らしい。まさに好都合だ。


 とっさの思いつき。成功率なんて測りようもない愚かすぎる賭け。それでもやるかのと今一度、己に問いかけてみる。





――後を頼むよ。





 遺言というより、もはや呪いだな。どうしてこう、最後に重すぎる宿題を押し付けてくるんですかね、あなたって人は。まったくもって大いに腹立たしい・・・・・・。


 上手投げでなく下手投げ。滑るように、暴走したアプリのせいで燃えるように熱い板っきれを投擲する。方角は正しかったが、あいにくと地面の摩擦を考慮してなかった。中年男とソフィア、ちょうど両者の中間で静止するスマホ。よりにもよってそこか。


 ぐるりと、ホログラムの衣をチラつかせながら、見せかけだけの4足獣が首をめぐらせる。


 餌に食いついた。


 あのスマホの効能については、もちろんソフィアにも叩き込んではある。やれ、やるんだ。そう心のなかで念じることしかできない。ビビって足がすくんでるんだろ? だが今やらなきゃ、次はないんだぞ?


 果たして、涙の筋をなびかせながら、フォークリフトの陰から飛び出してくる人影。リオっ子らしい渾身のシュートが、スマホに直撃する。

 

 ようするに、ピンの抜けた手榴弾を互いに押し付けあってるようなものだ。ふたたび滑りだしたスマホが、今度は中年男の手元に届けられる。最後に持っていた奴が罰ゲーム、景品は地獄への直通きっぷってところか。


 奴の毒づく声が聞こえるようだ。ひた、ひた、ひたと迫り来る足音に追われるようにして、中年男のシワがれだった手が慌てて伸ばされる。そいつを待ってましたとばかりに、M&Pでもって狙撃していく。


 拳銃、それもコンパクトモデルだから命中なんてとてもおぼつかない。砲弾を打ち出すような弓なりの弾道。最大限の消音性を発揮させるためにスライドまで掴んで、人為的に排莢不良を起こさせながら急角度で狙いをつける。


 当たりはしない。それでもおもわぬ至近弾に、たまらず腕を引っ込めていく男。それが運命の分かれ目となった。


 人間同士の密かな攻防なんてつゆ知らず、ただひたすら本能の赴くまま、鹿の王が激突する。外壁がひしゃげ、轟音を立てながら横滑りしていくコンテナ。





「ガァぁぁぁぁっっッ!!」




 隠れ家を力ずくで奪われ、標的とみなされた中年男がサブマシンガンを乱射しながら逃げを打つ。足を引きずりながらじゃ、まあ長くはもたないだろう。


 一方その頃。ゴールを決めてすぐピグの手で最寄りのコンテナへと引きずり込まれたソフィアが、逸れローグの死角を縫うようにしてこちらに駆け寄ってきた。





「ラセルさんっ!! ラセルさんっ!!」





 涙に鼻血、それからCVダズルの化粧をぐちゃぐちゃに混ぜ合わせた元修道女を、ついさっき転げ落ちたばっかりの足場へ引っ張りあげてやる。 ヒドい形相だが、それでも生きていた。


 抱きついてくる金髪褐色娘は無視して、すぐさま先頭車両に合図。その合図がチュイにポドフスキー、そしてアレハンドロまでリレーされていき、音もなく再びトラムが動きだす。





「ピグはどうした?」





 ハッと顔を上げるソフィア。てっきり、自分の後ろからついて来てるとでも思ったのだろう。答えはすぐさま、銃声でもって示される。


 見えたのは、走るピグすぐ背後から追いすがる、見せかけだけの巨大偶蹄類。くそっなんて、叫ぶ時間すらも惜しい。すぐさま手すりにハンドガードを預け、鹿の王の巨影めがけてガリルの弾丸をひたすら送り込む。


 サプレッサーの先端からほとばしる発射ガスの残像。舞い飛ぶポリマー薬莢。みるみる減っていく、スコープ上に貼りつけたショット・インジケーター――固有振動数を計測して、発砲回数を表示するシール――の残弾標示。ピグの俊足がまだ一枚上手の様子だが、こうまで撃ちまくってもスピードが一向に衰えないとは、どんだけ硬いんだッ!!


 着弾のたびにホログラムが歪み、白い血飛沫や人形のパーツらしきものがあたりに飛び散りはする。そうか、皮膚の一枚一枚は脆くとも、それを何枚も重ねればライフル弾だって止められるって寸法か。


 走り幅跳びの要領で、華麗に飛びあがったピクがそのまま俺たちのいる足場へと着地する。





「もたもたすんなッ!!」


 



 すぐさま振り返ってP90の乱射をはじめたピグに援護されながら、俺はガリルを背中にまわし、とっさに拾い上げた巡査部長のバッジを取り出していった。


 これまで重ねてきた無数の雑談のおかげで、実のところ暗証コードはすでに知っていた。“親愛なるクソ上司へ”。あの腐ったユーモアがもう二度と聞けないなんて、まるで実感が湧かない。





「伏せてッ!!」





 輸送用車両の扉は開いたが、それを阻止するように伸ばされる、関節と関節、指と指がブロックのよろしく絡みあった不気味な巨腕。叫んだソフィアと共に、どうにか一撃は躱せたが・・・・・・奴はすぐさま二撃目を見舞おうと、腕を引っ込めっていった――その肉塊に埋まる、見覚えのある医療用プラスチック製の皮膜。





「アレ、もう無謀なんですから!!」





 いきなりの爆風が肌を震わせる。アレハンドロの投げつけたパイプ爆弾が、鹿の王のすぐ足元で炸裂したのだ。


 自家製爆薬の破壊力なんてたかが知れてる。それでも一瞬だけだが、鹿の王の意識が俺たちから逸れていった。そのすきに扉の向こう、輸送用車両のなかへと3人揃って転がり込む。


 こうなると、こいつの頑丈さは頼もしい限りだな。扉を閉めるだけで、あっさり危機から脱することができた。





「奴の基準がまるでわからん!! 狙いは俺たちかッ!? それとも動くもの全てかッ!?」





「そんなの私が知るわけないでしょう!?」





 ごもっともな青髪女と示し合わせたように再装填リロード。仕上げに槓桿を引き、もしかしたらのラウンド2に備える。


 どんどん加速していくトラム。窓がないせいで、どうにも外の状況は判然としない。だがこのペースならそろそろトンネルに差し掛かるところのはずだが・・・・・・そろって天井を見上げていく、俺とピグと涙目のソフィア。


 ガリルの先端にとりつけたタクティカルライトの光芒、そいつを物音に合わせて動かしていく。声は発さず、唇だけでピクが告げてくる。





“ついてくる”





 このまま奴と相乗りなんて御免だ。かといって、パイプ爆弾にも怯まない相手に実力行使なんて無謀すぎる。それでも追いかけるしかない。


 ひたひた、例の足音が屋根伝いに車両の後部へと移動していった。そいつに合わせてハードケースに仕切られた迷路を駆け、ついには最後尾の扉へ。


 分厚い防弾ガラスののぞき窓から、そろそろと頭だけ覗かせる。ちょうどコンテナまみれの貨車に移る、栗色の体毛が見えた。まったく同じものを目撃したピグが、いつになくシリアスな顔して言う。





「お前。あの怪物は、ずっとコンテナに隠れていたんですよね?」





 そうとも、奴は巣に帰ろうとしている。





「・・・・・・奴のコンテナだけ切り離すのは」





 みなまで言わせるなと、ピグが眼差しだけで決断をせいてきた。奴を車両基地まで連れ帰りたくないなら、ここで貨車の連結を解くしかない。奴の巣である赤いコンテナと、そのすぐ横にあるヤムヤムのも一緒に。





「でもそんなことをしたら食料が!!」





 そう言ったソフィア自身、他にやりようがないととっくに理解していた。そいつは、紫になるほど噛み締められた唇が一番物語っている。





「・・・・・・ブレーキはウチが」





「頼む」





 タイヤが格納され、リニア本来の走行方式へと切り替わっていくあたりで、連結器の解除作業は完了した。食料入りのコンテナを置き去りにしたまま、トラムの周囲を業っと、トンネル特有の風鳴りが取り巻いていく。これでもう俺たちのアジトこと、車両基地まで遮るものはなにもない。


 ずるずると、壁に背を預けてわずかな足場にへたり込む。たまらない徒労感に全身の気力が奪われ、思考すらおぼつかない。





「うちのせいだ・・・・・・うちのせいで、隊長が」





 膝抱えてうずくまるソフィアと同じく、俺も表面では平静を装っていたが、何のためにとつい吐き捨てたくなる己を必死に押し留めていた。





「どこかで割り切らないと、辛くなるだけだぞ」





「大人の意見ですね」





 ピグの皮肉も、さすがに覇気が欠けている。象徴的な青いショートヘアを気流でなびかせながら奴は、ながれゆく無味乾燥としたトンネル壁をただ漫然と眺めていた。





「どうしてホログラムの衣なんか? あの奥に、一体なにを隠しているでしょうね?」





「今する話題じゃないだろ・・・・・・」





 そうやってはぐらかす。


 他にどうしろと? 奴の正体はもしかしたら我が家のロボット家政婦こと、アールかもしれないと素直に告白しろとでも? そうなことしたら、ペトラの立場がますます危うくなるだけだ。


 ぐすっ。一段強く鼻を啜ったソフィアが、目元を拭いながら面を上げていく。





「残る食料はあと1ヶ月・・・・・・どうにかしないと、っすね」





 近場のアパートはすでに漁り尽くした。商業区画は、騒動の初期に俺たちとは別口の避難民が殺到したらしく、ほとんど廃墟同然。時の流れとウィルス汚染で、食料なんてもはや見る影もない。


 やはり、鹿の王を排除するしかないか。そいつは、なんともゾッとする未来予想図だった。


 ジャングルで100km行軍してもこうはなるまい。心労とストレスが力を根こそぎ奪いとっていくのを感じる。死者KIA1名。そんな数字では割りきれない、あまりに重すぎる犠牲だった。





「どうにかしないと・・・・・・」 


 


 

 残された者の反応はさまざまだったが、ソフィアの場合は、新たな使命感でどうにか気力を奮い立たせているようだった。俺には少し、それが危うく見える。





「割り切れといったろう」





「けど・・・・・・」





 後悔は尽きない。安全確認をもっと徹底すべきだった。あの女の対処にしても、もっとやりようがあったはず。そうやって理由を探れば探るほど、トラウマというドツボにはまってしまう。


 自分を責めるのと同じぐらい、無数に枝分かれしていくドミノ倒しの出発点を探っても意味なんてない。最終的にすべてを決めるのは、結局のところ運の良い悪い。それに比べれば、人間の意思なんてちっぽけなものだ。





「お前のせいじゃない。何もかすべて――人形どものせいさ」





 俺のそんな忠告は、走り抜けるトラムの風の音によって、すぐさまかき消されていった。




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