第13話
ロリ散歩
一年を通じて平均気温の高いキーロフ平原でも北部にあるロートバルト市は、夏季になると日中と夜での寒暖差が見られ、この時期名物の朝霧が発生していた。
ロリは早朝に目覚め、終日入ることができる修練場の公衆浴場で一風呂すませていた。
まだ湿った髪を大雑把に結い上げて、朝食を食べるために酒場に向かった。
さすがに飲み明かした酔いどれたちは片付けられて、饐えた夜のアルコール臭は窓を全開にした上、お掃除のおばちゃんによる風魔法でスッキリとした朝の空気に入れ替えられていた。
そして厨房では、朝食を作るために雇われた冒険者たちの妻や寡婦が忙しく働いていた。
「むふ。よい香りじゃのう。すまぬがスープとパン、それから適当なものを見繕って欲しいのじゃ。」
「あいよ。どれだけ食べても銅貨五枚だよ。」
「うむ。妾のはギルド長につけておくのじゃ。」
「えぇ!? 本当かい?」
「はい。ロリちゃんの言う通りですよ。」
「おぉ、アニカではないか。」
「はい。おはようございます。でん…ロリちゃん。」
「おはようなのじゃ。」
「へぇ。ギルド長とアニーちゃんの隠し子かい?」
アニカは顔を真っ赤にして照れたが、そんな彼女にそっけない眼差しを送ってロリはカウンターのおばちゃんに向かって否定した。
「いくら何でも年が合わんのじゃ。」
「ははは。まあ、いいってことさぁね。今日はオムレツにチーズを入れたやつがオススメだよ。」
「おお、うまそうなのじゃ。それを所望いたすぞ。あとは果物があると最高じゃのう。」
「はいはい。」
酒場のおばちゃんがたは彼女の独特な口調をまったく気にせずに、手早くロリとアニカの朝食を盛り付けて、二人に渡した。
まだ人気の少ない酒場のテーブルに二人はついて食べはじめた。
弘安の記憶ではオニオンスープに似た琥珀色の暖かな飲み物は眠気の残る体を目覚めさせてくれた。
「うむ、このスープはよいのう。皆このような美味いものを食べておるのか? 庶民とはいえど、侮られんのう。」
「お口にあって幸いです。でん…ロリちゃんは寒くはありませんでしたか?」
「ん? 朝方少しな。テントの入り口を閉めたのじゃが、床から冷気がのう。じゃから起きてすぐに風呂で温まってきたのじゃ。」
「ハァ。やはり、女男爵(バロネス)のところにでも……」
ロリはアニカの言葉に首を横に振って、大きな口でライ麦パンを頬張った。思っていたよりも硬いそのパンの噛み応えに涙目になりながら、スープをまた口に含み、飲み込んだ。
「いや。改善する方法はすでに見つけているのじゃ。」
「そうですか。それでは何も言いませんが、何かご不便などがありましたら、気軽に申しつけてください。」
「うむ。そうさせてもらうのじゃ。」
「今日はどういたしますか?」
「ああ、それなんじゃが、今日はお休みしようと思うておるのじゃ。少しこの街を見て歩きたいのじゃ。」
「そうですかい。ではアニカをおつけしましょうか。」
「……ギルドマスター!?」
「おぉジェラルドか、おはようなのじゃ。昨晩はかなり調子が上がっていた様子じゃったが、早起きじゃのう。」
「おはようさん。あのくらいで二日酔いになっていたら仕事はできないよ。」
「それよりギルド長、私は仕事があります。」
「俺の方から替わりを選んでおくよ。こっちは代わりがいないからな。」
「わかりました。でん…ロリちゃん、よろしくお願いします。」
「うむ、しっかりと仕えるのじゃぞ。」
「はい。誠心誠意、仕えたいと思います。」
「おいおい、おおげさだな。」
二人はギルド館を出て、ひとまず中心部の噴水のある公園を目指した。
大きな円形の広場の中心には巨大な大理石の彫像が飾られた噴水がある。その周りには待ち合わせのためか、冒険者らしい様子の男女や大きな荷物を積んだ荷馬車の前でくつろぐ旅姿の商人たちがたむろしていた。
「ここが街の中心部の噴水広場です。」
「なるほどのう。なぜこんなに人が多いのじゃ。」
「いまはギルド館で仕事をとって来る仲間を待っていたり、隊商を組むために準備をしていたりするんですよ。
「ほう、なるほどのう。」
「それではメインストリートを案内します。」
「うむ。たのんだのじゃ。」
アニカは噴水をぐるりと周り、北へと向かった。初夏の日差しに噴水の海の神の大理石像が白く輝き、トライデントから吹き出す水のしぶきがキラキラと眩しかった。
風向きによって飛沫がロリにかかり、その冷たさに楽しそうに声をあげた。
「北大通は街道につながっています。隊商はここから北部の王都やローゼンシュバルツ王国までゆきます。大通りに面しては大きな商会やこの国の出先機関がありますね。一般の人たちには多少縁遠いところになっています。」
「なるほどなるほど。」
「大きな通りの脇に伸びている細い通りはそれらに勤める商人や役人たちの家ですね。公園も多いので、散歩するにはよいところですね。では、東側に行きましょう。」
「うむ。」
「東西の大通りは南北の大通りよりは少し細くなっています。近隣の村からの農作物がよく通りますね。
東の通りは職人街ですね。冒険者ご用達の武器屋とか鍛冶屋が多くなっていますが、元々は隊商が一時休憩をとって荷馬車や旅装の手入れをするために旅籠や鍛冶屋が軒を連ねたことが始まりだと言われています。またこの町の食料庫となる農村に続いています。また、こちらに領主の館に続く道があります。
そして南はロートバルトに住む領民たちのための庶民的な大通りになっています。街の人たちや商館の使用人達がここいらに家を構えます。家族持ちが多いですね。地元向けの商店街はこちらですね。昨日ゆかれたと言う、泥棒小路はこの奥になりますね。」
「ほお。なるほどのう。」
「最後に西ですが、こちらは冒険者達がキーロフ平原へと出るための入り口になります。通りの始発点にはギルド館がありますので、初心者冒険者や『夏至の暁』のような各地を遍歴するような冒険者が一時的に滞在するための宿や短期貸しが可能の家具付き集合住宅があります。
また、細道には彼らを当て込んだ呑み屋などのお店も多いので、夜は賑わっています。それなので、でん…ウォホン、ロリちゃんは夕方以降は近寄らないほうが良いと思います。」
「なるほど。なぜじゃ?」
「渡りの冒険者の中には色々と問題のある人もいますので。」
「なるほどのぅ。よっくわかったのじゃ。」
「先ほどからロリちゃんはなるほどしか口にしていませんね。」
「見るものすべてが初めてじゃからな。他に言葉などないのじゃ。さて、もう少し買い足しをしたいのじゃ。」
「では東の職人街に行ってから、南の商店街を眺めましょうか。」
「嬢ちゃんが作って欲しいもんはわかったぜ。だけどよぉ、コイツァなんの役にたつってんだ?」
「む〜、妾は今、テント暮らしなのじゃ。地面に砂をまいて、これの上にテントを貼るんじゃ。あとは入り口にも玄関代わりの小さいものを置くのじゃ。」
「だから、何の役に立つぅてんだよ。俺っちはそれを聞いてんだ。」
「分からんかのう? どこの大工にも聞いてみるがよいのじゃ。どこのどいつが地べたにそのまま家を建てるのじゃ?」
「ん? ん〜? ……おぉ〜っ、そう言うことかぁ。ちっくしょお、気がつかなかったぜぇ。な〜るほどなぁ〜。嬢ちゃん、こまいくせに気がつくじゃねぇか! 」
「はぁあ。やっとわかってくれたのじゃな。あと、こまいはよけいなのじゃ。じゃあ……」
「いや、俺っちが作ることはあんめぇ。」
「はぁあ!? なにをゆうておるんじゃ!」
「なぁ、サブギルマスさんよぉ。」
「はい。何でしょうか?」
「おたくの職人の奴らに頼んでやっちゃあくれないか?」
「ええ、わかりました。ですが、『蝕』で今、忙しくなりそうですけど。」
「俺っちが言ってたと言っちゃあくれねぇか? それで奴らはわかるって。」
「はい。了解しました。」
「ど、どう言うことなんじゃ?」
「嬢ちゃんが考えたことはよっくわかるぜ。でもよ、こんな簡単なもんはよぉ、俺っちが作るよりもアニーさんちの職人をつかったらロハで済むんだぜ。」
「うぬ? …かしらとやら。お主は商売が下手じゃのう。」
「てやんでぇ。ガキを相手に商売なんかできるもんか。」
「ふん。…………すまぬな。」
「ふん。なんかあったら、また面でも見せな。暇つぶしにならぁ。」
家具職人の親方と別れ、ふたりは南大通りに足を向けた。お日様も上がり、乾燥した涼風が心地よいが、陽の光は肌に刺さるようになってきた。
南大通りの朝市は一番の賑わいから時間を置いていたが、人通りが多く、袖刷り合いするほどであった。ロリ達は市にずらりと並んだ露天商を冷やかしていた。するとある小トロール族の開いている露天が目に止まった。
「米があるのか?」
急な少女の問いかけに笑みを崩すことなく、若い赤毛の商人が揉み手をしながら答えた。
「ええ、この地方ではよく食べられていますよ。鳥の丸焼きの詰め物にしたり、炒めてチーズと煮たりしますね。」
「素直に炊いて食べんのかのう?」
「そのような食べ方は知りませんね。」
「醤油というソースや味噌というペーストは知らんかのう?」
「いや、知りやせんね。なんすか、それ?」
「知らんならよいのじゃ。妾も口にしたことはないのでな。知識だけあってな。食べてみたいなと思うただけじゃ。一応、米を少しもらうとしようかの。あと、土鍋を知らんかのう。蓋ができるやつじゃ。」
「へぇ、ありやすよ。」
「ではそれも。」
露天の店主はコメを入れた袋を鍋の中に入れ、蓋とともに紐でしっかりとくくりつけた。
「まいどあり。うまい食べ方があったら、教えてくだせえ。」
「うむ。期待しておるのじゃぞ。」
「あっ、そうだ。嬢ちゃんは色々と物を知っている様子だ。この油の使い道をご存じじゃねえすかね?」
商人が取り出した壺には薄い黄緑色をした油が入っていた。香りを嗅ぐとかすかに甘さの中に爽やかさがある香りがした。ロリは手のひらに少し垂らして温まるようにもんだ。
「料理にも使えると言われて買ってはみたんだけどよ。料理人に言わせると油の香りが立ちすぎるっつうんだよな。仕入れ値も高いから、これを使うんだったらオーリブオイルの方がいいって言われちまったしな。」
「確かにのう。店主よ、これは料理にも使えるが、元は違うもんじゃぞ。」
「かーっ、やっぱりか。どうしちまったもんかねぇ。」
「値段が折り合えば、妾が引き取ってやってもよいのじゃぞ。」
「そう言ってもらえると思ったぜ。これでどうだ。」
「いやいや。」
「ほぼ元値だぜ。これで勘弁してくれよ。」
「仕方がないのう。アニカ。払ってやってくれなのじゃ。」
「はい。でも、ロリちゃんは料理するんですか?」
「言ったじゃろう。料理にも使えるという代物じゃ。あとで教えてやろう。」
「俺っちにも教えてくれませんかねぇ。」
「別に良いが、畑違いじゃぞ。まあ、使ってみてよかったら礼を言いに来るのじゃ。」
「期待してやすぜ。まいどあり。」
続いてロリは茶と茶道具を探して歩いていたところ、ふとある香りに足を止めた。そこの露天商は頭にターバンのような帽子をかぶり、背を向けてなにやらお茶のようなものを淹れていた。
「主人。」
「にゃにゃにゃんと!? にゃ〜んだ? お嬢ちゃん、あ〜んまり脅かすもんじゃにゃいよぉ。」
振り向くと、落ち着いた大人の女商人だったが、家具職人のかしらとはまた違う訛りで答えた。じっとロリがその顔を見つめていると、両目の瞳孔が縦に細まった。
猫族(びょうぞく)の商人だった。
「それはなんじゃ?」
「あんれまあ、嬢ちゃんはコーフィーを知っとるんかいな。」
「ああ、味見を所望するのじゃ。」
「にんがいぞぉ。」
脅すように小さな白い陶器のコップで差し出したそれは褐色で湯気をたたえていた。
ロリは目を閉じて、カップを鼻に寄せて香りを吸い込み、それから少し口に含んだ。
「ふむ。紛れもなくカッフェじゃのう。じゃが、マダムよ。これは炒りが浅いのじゃ。酸味が強いのを好むものもおるのじゃが、これは浅煎りすぎじゃ。どれ、貸してみるがよいのじゃ」
断りもなく、どんどん奥に入り、猫族の女商人から道具を借りると、早速コーヒー豆を炒り始めた。手を止めることなく、網の中に入った豆を入るうちに煙が漂い始め、店主が焦りはじめた。
「お嬢ちゃん、あ〜んまりやりすぎると火事になるってばよ。」
大丈夫じゃとロリは安請け合いするものの、白い煙は徐々に濃くなり、焦げ臭くなってきた。落ち着かない女主人は裾から出る尻尾がフヨフヨと動き回っていた。
「ここじゃ。」
ロリは手早く炭の入ったコンロから離すが、それでも豆を揺らしつづけた。しばらくして、冷めた頃合いに彼女はミルに豆を入れて挽いた。
「大丈夫?」
頷いた彼女は布のドリップに豆をスプーンで測って入れ、若干ぬるくなったお湯をチョンチョンと置くように豆の上に入れた。
豆はむくむくと盛り上がり、香りがほのかに立ってきた。
「にゃんだか、いい香りしてきたなっす。」
「じゃろ。これからがいいんじゃぞ。」
そう言ってゆっくりと彼女は回すようにお湯を注ぎはじめた。あたりにはナッツを炒り、そこにふわりとした甘さを絡めたようなかぐわしい香りがこれでもかと言わんばかりにたった。
「いんや、いい匂いだなっす。これは楽しみだなっすなぁ。」
「ほれ、どうじゃ。」
ロリの差し出すカップに口をつけた店主は目を見開いた。
「にゃんだにゃんだ!? いんや、びっくらこいたなっす。めっちゃめちゃ美味くなっているでなすなぁ!?」
「じゃろ。」
ロリも自分のぶんを口に含んだ。
「ああ、この苦味じゃ。……うん、うまいのじゃ。主人よ、妾に豆とカッフェを入れる道具一式を売ってくれ。」
「あいよ。嬢ちゃんが買ってくれるなら、豆も喜ぶだなっす。」
「そのように持ち上げてもダメじゃぞ。」とはいうものの、ロリの口元には笑みがこぼれていた。
二人はそのままギルド館に戻り、設営管理部の大工たちに棟梁の言葉を伝えると、ものの四半刻でロリの依頼通りのものを作り上げた。彼らは車庫まで出向き、テントを一度片付けて下に砂を敷き詰め、その上に自分たちが作ったものを置いた。
「理由はわかったが、これの名前はなんていうのだ?」
「確か『すのこ』というものじゃ。浴室の脱衣所に置くと水でべちゃべちなところに立たなくても済むのじゃぞ。」
「なるほどな。試してみるか。おい、テントも張ってやれ。」
「あいよ。」
若手の職人たちはあっという間にテントを設営して去った。
アニカも午後からの仕事のためにロリと別れ、一人になった彼女は毛布をもう一度テントの中に敷き直し、買ったばかりのやかんでお湯を沸かしはじめた。
「ふん、ふん、ふふ〜ん………」
「ごきげんそうだな。」
背後から面白そうに声をかけてきたのはギルド長のジェラルドだった。ロリは彼に買ったばかりの小さな椅子を勧め、豆を火にかけはじめた。
「まあなのじゃ。なかなかよい買い物ができたのじゃ。」
「アニカからも聞いたぜ。カッフェも手に入れたそうだってな。ご相伴にあずかれるかい?」
「もちろんなのじゃ。妾のお点前をとくと味わうのじゃぞ。」
「それでは、ありがたく頂戴いたしますか。」
ジェラルドはカップを口元まで持ってゆき、まずは香りを楽しみ、それから瞼を薄く閉じて、ゆっくりと口をつけた。大人を感じさせる仕草と引き締まった横顔は余裕ある男の色気を感じさせた。
「深煎りは久しぶりだな。どうもここらは浅煎りが好みのようでな。」
「そのようじゃな。露天商も煎り方が甘かったのじゃ。」
「やっぱり、俺たちはこれくらいキツいのが好みなんだな。」
「ああ、妾もそう思うのじゃ。」
華奢な両手でカップを包むように持った彼女はゆっくりとカッフェを楽しんでいた。その様子にジェラルドはあったこともない貴きかたの姿を重ねた。
「ロリちゃんは言葉では思い出せなくても、きちんと残っているようだな。」
「なんじゃ、突然に? 」
「聞いた話だけどな、お前さんの父親も濃いカッフェが好みだそうだ。やっぱり親娘なんだろうな。」
「そうか?」
ジェラルドの言葉に虚を突かれたような表情を見せたロリは、すぐに微笑みをうかべてもう一度繰り返して言葉にした。
「そうじゃろかの?」
「きっとそうだろうよ。」
二人は微笑み合い、淹れたてのカッフェを味わった。
「あ〜っ!? 部屋にいないと思ったら、こんなところでサボっていたんですね〜!! 」
スカートの乱れもかまわずに駆け寄ってきたアニカがジェラルドの肩を揺さぶった。
「やめろ、せっかくのカッフェが零れるだろ?」
「私だってでん…ロリちゃんのカッフェが飲みたいですよ!! でも、書類がたまっているっていうのに、あなたは何をしているんですか!?」
「まあまあ、アニカよ。人は時折休む方が効率は上がるというそうじゃぞ。」
「この人は休みすぎなんです!!」
「はっはっはっ。」
「本当にもう。」
「まあ、よいではないか。それよりもあの時の油の使い道を教えてやるのじゃ。」
夕刻、アニカの仕事が終わったところを見計らい、一緒に共同浴場で汗を流したロリは風呂上がりで大きなひよこの絵柄のバスタオルを体に巻きつけていた。アニカも同様に濃紺のバスタオルを巻きつけていた。共同浴場の脱衣所にはさっそく真新しい木のすのこが敷かれていた。
ロリの持っている異世界の記憶では、このような大型の浴場では壁一面もあるような大きな鏡があったのだが、こちらの世界の技術ではそのような大きな鏡ができるわけもなく、籐で編んだ椅子の前に小さな鏡が用意されていた。
ロリは壺の中からとろりとした油をほんの少し手につけて、アニカの湯上りの髪に染み込ませるようにつけていった。
「何をされているんですか?」
「この油はな、椿油じゃ。昼にも話したが料理にも使うことはできようが、これほど質の良いものはこうやって髪油として用いるのじゃ。香りも良いぞ。」
「へぇ。化粧品だったのですね。」
「うむ。髪がな、つやつやぁ〜っとなるのじゃ。」
「それ、いいですね。」
「ほぅ。」
「聞き捨てなりませんね。」
ジゼルとグロリアが割り込んできた。
「なになに〜?」
グロリアの質問にロリは実際に彼女らに試してあげた。
「う〜ん、香りはいいような気がするね。」
「乾いてきたら違いがわかるのじゃ。」
ほぉ
なるほど
「試してみましょう。」
ジゼルとグロリアはロリから髪油を分けてもらい、自分にもつけた。
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