一方その頃
〜女神視点〜
はぁ〜何をやってるの?あの子は。
ちょっと気になってあの子の事見てみたらあんな事になってるなんて…。
私は深いため息を吐く。
どうして自分から難しい方に行っちゃったんだろう。
私はただ元気で健やかに過ごしてくださいしか言ってないのに。
なのにどうして自分から茨の道に進んじゃうんだろう?
あの子魔力もチートも無いのにどうして必要とされる場所に行くのかな?
それにしてもどうしてあの子はあんなに彼女が欲しそうにしてるのかな?
初めて会った時はそんな感じ見られなかったのに。
まぁ流石にチート能力をあげなかったのはこっちも負い目を感じるからちょっとしたサプライズをプレゼントしますか。
そういえば丁度いい人が1人いた。
***
「あの、ここはどこなんですか?私は死んだはずなんですけど」
私の目の前にいる女の子は不機嫌そうに答える。
何?この子、自分が死んだ事を覚えてるの?
普通の人間だったら死んだ事受け入れられないし、自分の置かれてる状況を理解出来ないのに。
「ここは冥界みたいな所ですかね」
「良かった、ちゃんと死んだんだ」
「死んだのに嬉しそうですね」
「死にたくて死んだので。じゃあもうさっさと連れて行ってください」
彼女は私を急かしてくる。
彼女は一体どこに連れて行ってもらえると思っているのだろうか。
「あなたには異世界に転移してもらいます」
「はぁ?」
彼女は私を思い切り睨みつけてくる。
そして、彼女は私に攻撃を仕掛けてきた。
「そんな事しても無駄ですよ」
人間が女神に傷をつけられる訳が無い。
「ふざけんな!さっさと寺島くんの所に連れて行け!」
彼女は無駄だと分かっていながら私に何度も何度も殴りかかってくる。
息が切れようが気迫だけで私を殺しにかかってくる。
そして、段々と彼女の目から涙が溢れてきた。
「もう寺島くんのいない世界で生きたくないの…」
とうとう彼女は膝から崩れ落ち、丸くうずくまる。
「もし、その転移先に寺島くんがいると言ったらどうしますか?」
「!」
彼女はバッと顔を上げる。
そんなに勢いよくあげて首大丈夫?
「転移した先にはもう寺島くんがいるので探してみてください」
「ほ、本当に寺島くんがいるんですか?」
私は彼女の言葉に頷く。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔でも嬉しそうなのが伝わってくる。
「転移した先にオズマサール学園という学園があるのでそこで探してみてください」
「はい!」
「他に聞くことは無いですか?」
「全く無いです!早く寺島くんのいる所に連れて行ってください!」
さっきまで私を殺そうとしてきた人とは別人過ぎる。
「では、ご無事で」
…いやぁ怖かったぁ。
人間でここまで怖いのは初めてかも。
一応チート能力はあげたからなんとか生き残れるでしょ。
まぁ彼女ならチート能力が無くてもなんとか生き残れる力はあるけど。
とりあえず頑張ってね。
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分かってると思いますが寺島くんはジンの転生前の名前です。
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