「もうお嫁にいけないよ……責任、とってくれるよね……?」
「結平!」
六月。梅雨の季節になると雨は付きもの。
雨が降る中下校している途中、俺――山口結平(やまぐち ゆうへい)を呼ぶ声が聞こえ振り返ると、幼馴染である姫路結奈(ひめじ ゆな)が傘を差さずに走って来る姿があった。
「どうしたんだよ。傘忘れたのか?」
「うん。それとね、家の鍵も忘れちゃったの。だから家に結平の家に行っても良いかな?」
結奈の家は共働きで、親が帰ってくるまでは残り一時間半ほどある。
そんな長時間傘だけ貸して待たせるような酷い事はできない。
「ああ、良いよ」
俺は快く結奈を家に招いた。
そして全身びしょ濡れの結奈をこのままにしていては風邪をひいてしまうかもしれないため、シャワーで身体を温めてもらうことにした。
けれど結奈の制服はびしょ濡れ、そして着替えはない。
仕方なく俺の服を貸そうと脱衣所のドアを開けた。
「……ッ!」
脱衣所を開けて目に入ってきたのは、学校で一番可愛いと言われている俺の幼馴染の結奈の裸だった。