第11話 2月13日、14日

2月13日(日)


ええっ、ルーク兄ちゃんが……

ルーク兄ちゃんがゲロゲロしちゃったよ。


ママ〜、来て。

ルーク兄ちゃん、大丈夫?

なんか具合悪そうね。


ママ、ルーク兄ちゃんね。最近ね。スピカのトイレにばっかりオシッコしてたんだよ。ビショビショだったからあたい、他のトイレでやってた。なんか、しょっちゅうトイレいるし、おかしいなと思ってた。そのくせ、水ばっかり飲んでるからみんなの水入れ、2つ共、めっちゃ、減っちゃうし。どうしちゃったのかな、ルーク兄ちゃん。そう言えば、水飲み場の近くにいつもいたなあ。


「ルーク、ごはん食べてないのに。全然消化してない。病院連れて行かなきゃ。日曜日だし明日、開いてる病院あるかな?」


日曜日だけどまだ土曜日の深夜、午前2時なのだ。パパとママが日曜日でも開いてる病院をスマホで探してる。

行きつけの病院は、どちらも開かないみたい。

パパが佐世保市の☆4.3で開いてる病院を見つけた。

朝になったらそこに連れて行こうという事になったみたい。

ルーク兄ちゃん大丈夫?

水飲み場の近くにうずくまってる。早く朝来ないかなあ。パパ、ママ早く連れてってあげて。ルーク兄ちゃん元気ないよ。


☆ ☆ ☆


明るくなってから病院に連絡とって、診察出来るということでパパとママがルーク兄ちゃんを連れて行った。準高速を使って行くんだって。パパとママは、ずっとルーク兄ちゃんを見てたみたいで二人ともあんまり寝てないんじゃない、大丈夫? 気をつけて行ってらっしゃい。ルーク兄ちゃんも頑張ってね。注射で泣いちゃダメだよ。スピカだって泣かないんだから。


☆ ☆ ☆


 パパ、ママおかえり。

アルク兄ちゃんとお留守番してたよ。ルーク兄ちゃん、どうだった? 

治った? 


あれ、ルーク兄ちゃんは?


…………


入院、入院したの?


いつまで?


10日くらい。糖尿病だったの? あんなにスマートで、ごはんもあまり食べないルーク兄ちゃんが?

ケトアシドース状態、身体の中が酸性になってたって。若い男の先生が詳しく説明してくれて、設備も揃ってたから入院をお願いしてきたって。危ない状態だったって。とりあえず点滴して中和してるって。

ルーク兄ちゃん大丈夫かな? 治るかどうかはわからないのか。



2月14日(月)


パパ、おはよう。会社行くの?

ルーク兄ちゃんは、ほっといていいの?

昼からお見舞い行くのか。ママも一緒。

じゃ、とりあえず行ってらっしゃい。



☆ ☆ ☆


パパ、おかえり。

ルーク兄ちゃん、昨日の夜、体温計下がって、危ない状態だからなるべく早く会いに来てくださいって先生から電話で言われたって、ママががっかりしてる。早くルーク兄ちゃんのところへ行ってあげて。

ルーク兄ちゃんに早く帰って来てねと伝えてね。パパ、ママ行ってらっしゃい。



☆ ☆ ☆



おかえり。

ルーク兄ちゃんどうだった?

少し元気になって、数値もだいぶ良くなったって。だからママの病院も済ませてまた夕方も見舞に行ったんだ。

そんな、コロナ禍なのに、何回もお見舞い行けるんだ。ママのお父さんの時は、週1回で、30分しか面会出来なかったのに。

命が危ない状態には変わりないし、飼い主がいた方が元気になるからって、面会を許してくれてるんだって。

若いスタッフや先生がバタバタとせわしなく動いている奥の入院スペースに椅子に座って見守っていていいんだって。ルーク兄ちゃんも喜んでた?

ルーク兄ちゃん、会いたいよ~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る