第10話 悪いのは兄さんだよ
「兄さん、お帰りなさい」
「ただいまー、疲れたぁ」
「手を洗って、うがいをしてきてからソファーに座ってください」
「分かったよ」
どうにか重い体をおこして洗面台に向かおうとする前に、キッチンにお弁当箱を出す。
花蓮は僕に洗わせてもくれない。
作ってくれたんだから、洗わせてくれてもいいのに絶対に拒否をしてくる。
前に一度黙って自分でしたら、泣かれてしまったのでそれからは無理やりにするのは止めようと思いしてないけれど、正直情けない気がしてならない。
洗面台で手洗いうがいをして、リビングに戻りダラダラしたり花蓮お手製のお菓子を食べてからお風呂に入り、花蓮と一緒に夕飯を食べて、自室で自習をしてから寝る。
いつも通りの日だった。
違うとすれば、日常に段々と桜木さんが増えてきてたことだろうか。
普通の人だというか、料理が出来たり意外と家庭的なんだよなぁ。
い、いや別に意識とかはしていない。
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「兄さん、お帰りなさい」
「ただいまー疲れたぁ」
「手を洗って、うがいをしてからソファーに座ってください」
「分かったよ」
渋々とソファーから立ち上がる。
不満そうな兄さんも可愛い。
兄さんは、いつも通り帰宅っと。
その後も、いつも通り私お手製のお菓子を美味しそうに食べている兄さんを眺める。
兄さん、可愛い。
うだうだしている兄さん可愛い。
私の料理を美味しそうに食べてる兄さん可愛い。
お休みって言ってくれて自室に戻っていく兄さん。
私、嬉しい。
そんないつも通りの日常。こんな幸せな日常をおくれている私は多分、前世で世界を救ったのかもしれない。
さて、ここからは......
兄さんが食べたお弁当箱を開ける。
今日も綺麗に食べてくれてる。そして……私はお箸を取り出して躊躇せずそれを口に含んだ。
そして、ゆっくりと手が下に伸びていく。
んっ、この濃厚な味。兄さんの唾液、さいこう。
ぺちゃ、くちゅ、んぅ……っ!!!
「おぇぇ……な、なにこれ!!こんなの違う、違う、チガウ」
兄さんの濃厚な甘美な味に混ざる気持ち悪い、吐きそうになるほどの汚い吐瀉物のような味。
「に......い、さ、ん?」
お箸から違う味がするということは……誰かがこのお箸を使ったということだ。
そして兄さんの味もするということは、絶対に間接キスはしたということで......
「おぇぇ......」
思わず、吐いてしまう。
先ほどよりも気分が悪くなる。最悪だ。
「うそ、だよね......?」
ここ最近兄さんに近づいた存在は一人しかいない。
桜木楓。
……気持ち悪いなぁ。本当に。
私は、嫌嫌お弁当箱を洗い、お箸はゴミ箱に捨てる。
一通り家事を済ませて、時間を見る。
この時間なら兄さんは寝ているだろう。
そっと兄さんの部屋に入る。ごめんね、兄さん。
穢されちゃうのが許せないの。
兄さんだって悪いんだよ?
いくら優しいからってそんなことしたら、私だって許せなくなっちゃうよ。
起きないように、兄さんの手を動かし......そっと私の股の方に近づけ......
「んっ......んぅ、はぁ」
途轍もない快楽が私の頭を駆け巡る。
起きないでね、兄さん。きっと兄さんは幻滅してしまうだろうから。
......でも、もしかしたら。
妄想は膨らみ、さらに加速していく。
「んっ、はぁ、んんんぅ。......ぁぁぁあっ!!」
大きな波が私の頭を染め上げ、果ててしまう。
兄さんの顔に、私の汁がかかってしまい、汚れてしまいどうしようもなく興奮した。
まずい、早くここから立ち去らないと。
少し大きな声もだしてしまったし。
そっと、足音を立てずに立ち去る。
兄さんは、寝息を立てていたし、大丈夫だろう。
ずるずると扉を背に、座り込む。未だに、高まる気持ちは抑えられず、自然と手が下の方へとのびる。
これからも、私は兄さんを染め上げる。
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