第45話 Balance monitoring
「主神よ!アレは一体何なのですか?」 / 「
地鳴りと共に突如として現れた「
「アレはこの街に封印されている「
「「「貴様はッ!」」」
「この地の統治を汝らが行うのであれば、あの「
アフラは光輪をその身に纏い、背より翼を生やしてピラミッドの直上から「エル・シーナ」に向かって紡いでいた。その言の葉を受けた「エル・シーナ」の面々は何も言えずにいる様子だった。
それは偏に侵略した自分達への悔恨からなのか、それとも自分達が侵略者に成り下がったコトに対する罪の意識だったのかは定かではない。
「元々この地にいた
「
「此の我達にも、あの「
「
「しかし拙者等が
「そうか……。それならば先ずは、あの「
エ・ラーダは覚悟を決めた表情になり、「エル・シーナ」の面々に向きを変えた。
そして重たい口を開くと決意を紡いでいった。
「これより、此の我はあの「
「「「「「おぅッ!」」」」」
だンだンッ
エ・ラーダの決意は「エル・シーナ」の面々に響いていった様子だ。
拠って鼓舞され士気の上がった一同は雄叫びを上げ、地面を踏み鳴らし
「ティシュトリヤ、アナーヒター、アープ、スラオシャ、皆を導き皆を護りなさい」
「「「「はっ」」」」
アフラは自分の影となり付き従っている、残された「パルティア」の四柱に指示を出した。こうして、「エル・シーナ」との遺恨は一時的に水に流され、2つの勢力は共闘する事を決めたのである。
きィんキキぃん、ガキぃん
「全っっったく、硬いッたら!なんで出来てるのよ、この鱗!」
少女は相手が巨大過ぎるので空中戦を挑んでいた。流石に地上戦闘では致命打を与えられないと踏んだからだ。迫り来る
少なくとも
まぁ、貰った所で少女の身体はダメージを直ぐに回復してしまうので致命傷にはならないが、痛いものは痛いし、痛みを悦びに変えられる程にそんなドMでもない。
「仕方無い……か。このまま
「我が愛剣よ、力を纏え!」
少女の愛剣は「魔」と「神」の力を取り込んでいく。そして、眩いばかりに輝く
「でえぇぇぇぇぇやあぁぁああぁぁぁ!」
がぎッ
「おんどりゃあぁぁぁぁぁぁぁッ!」
ざしゅッ
ギャオォォォォォォォ / ピギャアァァァァァアアァァ / ギョガァァァァァァ
「斬れたッ!って、なに……アレ?」
少女は気合いと根性と雄叫びで見舞った渾身の一撃で、やっとこさ
斬り裂かれた
どうやら、無数に身体の中に幼体を飼っている為に重心が頭に無かったのかもしれないが、これは余談である。
「えぁ!?
「流石にアレが街に行っても困るから、てっとり早く消えてもらうに限るわね!
少女が放った
「「
「1匹でも逃がすと大変なコトになりそうだから……
少女は7度に渡り
一度斬られただけでは致命打になっているとは思えなかったが、あれだけ硬い守りを持っていた理由は打たれ弱さにあったのかもしれない。
一方で幸いな事に、
流石に大規模な森林火災を巻き起こせば、必ず麓の街に被害が出るのは目に見えて明らかな事だ。
だから、
「もう、手が付けられないって感じだけど……、まぁこうなったモンはしゃーないわよね?アタシのせいじゃないわよ絶対ッ!」
「でも、これ以上状況が悪くならないうちにとっとと終わらせましょッ!」
こんな事になるとは思ってもいなかった少女は、だいぶ面倒臭くなってきているのだろう。
だから、とっておきを使って早期決着させる事に決めた。
「我が手に集え、赤き炎よ。我が手に集え、蒼き水よ。我が手に集え、翠緑の大樹よ。我が手に集え、
「我が手に集いし大いなる力よ、空虚なる微睡みに揺蕩う力よ。全てを穿ち貫く一矢となれ!」
少女の紡いだ詠唱はマナを編み上げていく。やはり数日前にゼウスに放った時と同じで、マナは従順にして急速に集まってくれた。
こうして、極大まで高められた五大属性の力は1つに纏まり、少女の指先で一条の虹色の矢を形成していった。
「
少女は心の中でトリガーを弾き、矢は静かに流れていく。
「あ、あれは一体……、何なのだ?」 / 「あの凄まじい魔力は何だ?」
「騒ぐな!今はあの者は此の我らが味方だ。今こそ、好機ぞ!此の我と共に続けぇ!」
少女の放つ
これは天秤の
こうして戦慄を
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