7/7 『華氏451度』レイ・ブラッドベリ
7月7日。曇りのち晴れ、二日酔いはなし。
昨日の夜、サークルの後輩女子とバーに行った。ひとえに「一度はバーなるところに行ってみたい」という好奇心である。約束の9時半までどうにか時間をやり過ごし、来たる待ち合わせ時間。に、少し遅れて落ち合い、いざ、おしゃれなバーへ。
1杯目はちょっとだけチキって、ラム・バック。ラムとジンジャエールのカクテルである。好きなものしか入っていない無難な選択。予想通り、芳醇な香りがしておいしい。
ドライフルーツやチーズなんかをつまみつつ、だらだらとおしゃべり。
1杯目を飲み終わったあたりで、煙草の吸える店だということに気が付く。灰皿を出してもらい、普段より早いペースで吸いながら、2杯目はシェリーを頼んでみる。コナンでしか知らないお酒。フルーティーな香りのあとに、ほのかにスモーキーな感じがする。
が、これが強いお酒だった。しかもストレートで出された。私はお酒がそれほど強くない。一生懸命舐めるように飲んでいたけれど、途中で気分が悪くなり、トイレに立つ。途端、めまい。
これヤバいやつ。ふらふらしながらトイレに行き、便座をあげようとかがんだ瞬間に、一気に吐き気。それから数分、汗びっしょりになりながら便器とお友達になる。
飲んだお酒も食べたおつまみもおおかた胃からなくなり、少し気分がマシになってトイレを出る。首筋の汗がだらだらでやばい。そのままお勘定をし、途中で彼氏に連絡をして、引き取ってもらう。
吐き気に苛まれながら、自己嫌悪がやばかった。今まで大学生の馬鹿な飲み会でも、失敗らしい失敗をしたことがなかった。吐いたことももちろんなかった。初めての失敗でどうしていいかわからなかった。思い返せば、ここ数日ろくにごはんを食べていなくて、空腹の状態で、煙草を吸いながら、強いお酒を飲んだ。役満である。馬鹿。
帰ってから必死にポカリスエットを流しこんだ。
七夕のお願いは『二日酔いになりませんように』に決まる。
その願いはかなえられた。いつも通り、どんよりと曇った空のような体調。フォロワーさんの監視の目を借りつつ書類を書き、賃貸契約書もろもろを持って不動産屋へ。入居日なので鍵をとりにいく。
帰り、近くにできたというお茶漬けやさんに寄ろうと思い立つ。お茶漬けならこの体調でも食べられる気がした。が、お茶漬けやさんと併設らしい海鮮丼やさんにいくと、お茶漬けのメニューが見つからない。とりあえず海鮮丼を頼んだら、店員さんが動いた表紙にお茶漬けのメニューを見つけた。あ、と思うけれど、もう頼んでしまった。
そのままメニューを変えてほしいとも言えず、黙って海鮮丼を食べた。が、3分の1を食べたくらいでおなかがいっぱいになり、かといって残すのも忍びなく、がんばって完食した。炙りサーモンが重たかった。好きだったはずの生魚がまったく美味しいと思えなくて、つらい。
お腹がぱんぱんで気持ち悪くなり、トイレに寄って口に指をつっこんでも吐けず、自己嫌悪が2乗された状態で帰った。無駄にカロリーをとってお金が消えた。何をしているんだろう私。今日の夕飯は西瓜にしよう。
帰ってから本を読んだ。レイ・ブラッドベリの『華氏451度』。深く考えることを放棄した人々が、手軽でインスタントで時短な娯楽を求めた結果、本が「人々をいたずらにまどわす」ものとなってしまうお話。ファスト映画なるものやアニメの切り抜きが蔓延している現代社会を、1950年代に書かれたこの作品が示唆している、気がする。
好きな一文があった。
「そして戦争がはじまり、それは一瞬にして終わった。」
こういう文が書けるようになりたいな、と思わせる、力強い文だった。
とりあえず今日は、この時間までなんとか生きている。相変わらず、自己嫌悪はひどいけれど。
少なくともあと5日、私は生き延びられるだろうか。どうやって生きて行こう。
はあ……。
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