第6話 物価変動と金融政策
ここへ来て物価が急騰し始めましたね。しかもまだまだ上がるのが決まっています。そもそも物の値段ってどうやって決まるんだろうか?
よく、物価は「需要と供給のバランスで決まる」と言う話は聞いたことがあると思うけど、いまいちよくわからない人も多いんじゃないかな。
物を作るには材料を買ったり加工賃を払ったりと費用がかかる。それなら掛かった費用が物の値段? 確かに費用は物の値段を決めるための重要な要素の一つであることは間違いない。しかし、それだけでもないんだ。
例えば美術品などがわかりやすいかもしれないけど、費用自体はそれほど掛かっていなくても、高い値段で取引されるものもある。
逆に、どんなに良い材料を使って最高品質の物を作っても欲しい人がいなければ高く売ることはできない。
そう考えると費用だけで物の値段が決まるわけではないと言うのは間違いなさそうだ。
さて、ここで言葉の意味を考えてみよう。(有効)需要とは簡単に言うと、その物を欲しいと思う人のこと。供給とはその物が売りに出る事だ。
欲しいと思う人が多くて、売りに出る量が少なければ物の値段は高くなる。逆に世の中にたくさん物が溢れていても欲しい人が少なければ物の値段は安くなる。
さて、今、日本のみならず、世界中で物の値段が上がっている。これは需要が増えているからではない。そう、ウクライナ問題で世界中で物の供給が不足してきているからだ。
戦争によってウクライナやロシアから世界中へ輸出されていた物が流通しなくなっていること、流通網が正常に機能しない部分が出てきていることに大きな原因が有るのは間違い無いだろう。コロナの問題も解決したとは言えないしね。流通する物、つまり供給が減ったことにより物の値段が上がっているのだ。これは経済の停滞を巻き起こす。
世の中では悪いインフレなどと言う言葉で誤魔化しているが、この状況はスタグフレーション(経済が停滞する中物価が上がる状況)と言って良いのではないだろうか。
そう考えると、アメリカが行なっているインフレ対策の利上げは間違っている可能性は高いかもしれない。
一方で日本は既に長年金融緩和政策を続けすぎて、これ以上打てる対策がない状態に追い込まれている。
そう考えると、更なる悪化を招く恐れも高いが、その後に対策を打ち直せる可能性が有るアメリカの金融政策の方が長期的に見れば正解の可能性のような気がする。
より高く飛ぶためには、助走のために一度下がる必要があるように。揺れる天秤は振れながら全体としてのバランスを取るように。
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