第558話 覚悟がいる

 〈クルス〉の抵抗がないようなので、真ん中で主張している先っちょを舌で舐めてみた。


 「いゃー、〈タロ〉様。そこは本当にダメです」


 〈クルス〉の手は、僕の顔を掴んでおっぱいから引き剥がそうとしている。

 今度は抵抗するんだ。

 でも、それほど力は入っていないな。

 僕は左右の先っちょを交互に吸ってみた。


 〈クルス〉は荒い息を吐いて、僕の下でジタバタしている。

 でもしばらくすると、「あん」「あん」と呻くだけ大人しくなってしまう。

 〈クルス〉の身体は、とても熱くなって耳を触った時だけピクンと跳ねる。


 やりたいように先っちょを舌で攻めていたら、〈クルス〉の瞳が涙を溜め始めるのが見えた。

 うーん、やり過ぎたかな。


 僕は先っちょから口を離して〈クルス〉に問いかけた。


 「〈クルス〉、ごめん。やり過ぎたか」


 「ううん、泣いたのは少し違うのです。私は〈タロ〉様が無事帰ってこられて、私を求めていらしたので、かなり浮かれていました」


 「少し違うの」


 「えぇ、思っていた以上でしたので、このまま最後まで行きそうで怖くなったのです。〈タロ〉様、私はまだ覚悟(かくご)が出来ていません」


 「分かったよ、〈クルス〉。もうしないよ」


 「すみません。もう一年もありませんので、それまでに覚悟をしておきます」


 「覚悟がいるの」


 「ふぅん、〈タロ〉様は違うのでしょうけど、私はいるのですよ。とても怖いことなのです」


 「怖いの」


 「そうです。初めてのことですし、私の中のものが壊れそうで怖いと感じるのです」


 〈クルス〉は怖い思いを振り払うように、僕へヒシっと抱き着いてきた。

 僕は〈クルス〉の頭を片手で抱き寄せて、もう片方で艶やかな黒髪を撫ぜてあげる。

 こうすることで〈クルス〉の気持ちが、少しだけでも落ち着いたら良いな。


 僕も最初は怖い気持ちを持っている。

 それは上手く出来なかったらどうしようってことだ。

 最初同士では、男がリードする必要があると思うので、かなりビビっている面があるんだ。


 ただ〈クルス〉が怖いと思う気持ちは、僕とは違うのだろう。

 〈クルス〉の気持ちは良く分からないけど、それだけは僕にも分かった。


 「〈タロ〉様、喉(のど)が渇(かわ)いたでしょう。お茶を飲みませんか」


 髪を撫ぜたせいではないと思うけど、〈クルス〉は落ち着きを取り戻したようだ。

 顔が明るく輝き出しているように見える。


 「そうだな。少し渇いているかな」


 〈クルス〉は鞄から水筒を取り出して、お茶を口に含(ふく)んだ。

 そのまま口を膨(ふく)らませているってことは、口移しで飲ましてくれるってことだろう。


 僕は〈クルス〉の唇を唇で覆った。

 すると〈クルス〉が口を開けて、僕の口の中へお茶を流し込もうとしてくれる。

 僕は〈クルス〉の口の中を「ジュルッ」と吸ったら、〈クルス〉の舌も一緒に吸ことになってしまった。


 〈クルス〉は僕に舌を吸われている間、身体をピクンピクンとさせていたと思う。


 「んんう、もう、舌を吸うのは反則です。今度は私にも飲ませてください」


 「うん、分かった。わざと吸ったんじゃないよ」


 僕はお茶を口に含んで、同じように〈クルス〉の口へ流し込んだ。

 今おっぱいを丸出しにした〈クルス〉と、とてもディープなキスをしているんだな。

 そう思ったら、再度ギチギチで痛いほどになってきたぞ。


 「今度は私もします」


 〈クルス〉は口移しをしながら、僕の頭を片手で抱え、ズボンの隙間から股間に手を差し入れてきた。

 「んっ」「んっ」と呻きながら、舌も入れてきている。

 おっぱいは丸出しで舌を入れられながら動かされたら、僕が持つわけがない。


 ジ・エンド(The・end)だ。


 〈クルス〉がおっぱいを丸出しまま、僕のパンツをまた洗ってくれている。

 このパンツも、《赤鳩》の屋上ではためくのだろうか。


 「〈クルス〉、僕のパンツが《赤鳩》に干してあったって、噂になっているらしいよ」


 「うふふ、私の目論見通(もくろみどお)りです。しつこかった《青燕》の学舎生さんも、やっと諦めてくれたようでもう視界から消えました」


 はぁー、〈クルス〉は、まさか《青燕》生に言い寄られていたのか。

 そんなの許せないぞ。


 「えぇー、その学舎生の話を詳しくしてくれ」


 「うふふ、〈タロ〉様が心配されるようなことではありません。それに先ほど言ったよぅに、もう近づいてもこなくなりましたよ」


 「でも」


 「〈タロ〉様、いいですか。既に終わったことです。この話はもう終わりにしましょう」


 〈クルス〉は少し不機嫌そうに言い放った。


 えぇー、僕はまだ納得していないぞ。

 今さっき初めて聞いたから、僕にとっては始まったばかりだよ。


 だけど〈クルス〉は、キスをして僕の口を塞いできた。

 同時に僕の手を、おっぱいに誘導して思考力も奪(うば)っている。


 こんなことが出来るのに、どうして怖いんだろう。

 そう思うのと同時に、おっぱいの柔らかさと、キスの甘さと、嫉妬の感情で僕の頭は混乱の極致だよ。

 ムニュムニュとおっぱいをこねて、チュルチュルと唇を吸って、ムカムカと嫉妬が渦巻いて、僕の頭はグワングワンと破裂(はれつ)しそうだ。



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 いつも読んで頂き、ありがとうございます。


 遅くからですが、「フォロー」をして頂いた方、「応援」「コメント」をして頂いた方、大変ありがとうございます。

 また、「星」や「レビュー」を入れて頂いた方、誠にありがとうございます。


 本当に嬉しいです。心が躍ります。


 お手数とは思いますが、「星」や「レビュー」を頂ければ、大変有難いです。


 明日への希望となりますので、よろしくお願いします。


 さて、第九章が終わり、次話から、第十章「最終学年は、待ってくれない」編になります。

 

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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