第479話 水かけ遊び

 〈クルス〉は、持ってた砂を、僕に投げつけてきた。

 「情けない」って、言いながらだ。

 こんなことで、そこまで言われるのか。


 なぜだが、〈クルス〉が一番怒っているな。

 おしっこを拭いたのが、バレているのか。

 あれは、ワザとじゃないんだよ。


 「ひゃ、砂は痛いぞ、〈クルス〉。それはやり過ぎだ」


 僕も対抗して、三人に海水をすくって、かけてやった。


 「うぁ、〈タロ〉様、やったな」


 〈サトミ〉は、初めから怒ってはいなかったので、ケラケラと笑いながら、海水をかけてくる。

 水かけ遊びを、心から楽しんでいるようだ。


 「きゃー、〈タロ〉様。顔に、水をかけないでね」


 〈アコ〉も、それほど怒ってないようで、「きゃー」「きゃー」言って、嬉しそうでもある。

 ただし、顔にかけられるのは嫌らしい。


 「うんもう。〈タロ〉様、大人しくかけられなさい」


 〈クルス〉は、鬱憤(うっぷん)を僕に晴らしたいのか、一生懸命に海水をかけてくる。

 水かけ遊びでも、真面目なんだな。


 許嫁達は、もうびしょびしょで、着ているスリップは透(す)け放題だ。

 桜貝は立体的に見えているし、薄い赤色と青色と濃い黄色が、くっきりと見えている。

 ショーツも、濡れてしまったから、もう一段薄っすら見えてもいるぞ。

 下着姿の美女と、「きゃー」「きゃー」言いながら、夏を満喫(まんきつ)だ。


 僕の策略は、ズバリ当たったな。

 濡れて身体に、張り付いているスリップが、かなり艶(なま)めかしい。

 濡れたショーツが、とても煽情的(せんじょうてき)だ。

 夏の太陽に焼かれたのだろう。僕の愛欲が、チリチリしてくる。

 燃え上がって、熱くて堪らない。


 僕は、ジャバジャバと水の中を走って、〈サトミ〉にガバッと抱き着いた。

 もう、我慢が出来なかったんだ。


 「きやー、〈タロ〉様。何をするの」


 〈サトミ〉は、真っ赤になって、アワアワとなっている。

 押し付けた僕のあそこが、焼けた砂のように、熱かったからだろう。


 「〈サトミ〉が、可愛過ぎて、我慢出来なかったんだ」


 「うん。でも、見られちゃうよ。後にしてよ」


 そう言って、〈サトミ〉は僕の顔に海水をかけて、砂浜に上がっていった。

 濡れたスリップを、引っ張って気にしてたから、僕が欲情したと思ったのだろう。

 正解ではあるな。


 また僕は、ジャバジャバと水の中を走って、〈アコ〉に近づいた。


 「あっ、〈タロ〉様。いきなり、そこを触るのですか。恥ずかし過ぎますわ」


 僕は、〈アコ〉のおっぱいを、ムギュと掴(つか)んでいる。

 濡れたスリップでは、とてもじゃないが隠せない。圧倒的な存在感なんだ。

 海の上に、ぷかぷかと浮いたのも、僕には隠せていない。

 脂肪の塊だから、浮くんだな。


 「〈アコ〉のここは、僕を誘い過ぎだ。こんなに、突き出しているんじゃないか」


 「んん、誘ってなんかいませんし、突き出しているんじゃありませんわ。今は、手を離してください」


 両手でおっぱいを隠しながら、〈アコ〉は、砂浜に上がっていった。

 これ以上見せたら、僕が何をするのか、怖かったのだろう。

 良く知っているな。


 次は、スリップを脱がし、剝(む)き身(み)にしていただろう。

 ただの脂肪とは信じられないので、もっと貴重な物が詰まっているのを確認していたと思う。

 はははっ、それは僕の幸せの塊なんだよ。


 後は〈クルス〉か。

 〈クルス〉を捜すと、えっ、僕から逃げようとしている。

 どう言うことだ。


 僕は、ジャバジャバと水の中を走って、〈クルス〉を追いかけた。

 〈クルス〉は、「来ないで」と言いながら、海の中を逃げている。


 でも、青色のショーツを、プリプリと左右に振っているんだ。

 僕が追いかけないはずがない。

 賢い〈クルス〉なら、考えなくも、分かるだろう。


 逃げる〈クルス〉を追っていると、心臓とあそこが、キュンとしてしまう。

 〈クルス〉という獲物を、追い詰めて、どう蹂躙(じゅりん)するかを、想像してしまったんだ。


 〈クルス〉は、疲れたのだろう。

 足が止まって来たから、青色のショーツへ、僕はダイビングを決行だ。

 狙い通り、お尻に抱き着いたぞ。


 「あぁー、〈タロ〉様。お尻に頬(ほほ)ずりしないで、お尻を離してください」


 「嫌だ。僕は、〈クルス〉を離さないよ」


 「ううん、そんなことを言って。先ほどは私と、目を合わそうと、しなかったですよ」


 「えっ、そんなことしたっけ」


 「えぇ、しましたとも。私は傷ついたのです」


 うーん、覚えがないな。


 ただ、〈クルス〉が、少し怖いと思ったな。あの時のことか。


 「〈クルス〉が、僕の考えを当てるから、ちょっぴり怖くなったんだよ。全てを、見透(みす)かされている、みたいな気がしたんだ」


 「あぁ、鍋のことですか。私は〈タロ〉様を、ずっと見ているので、予想がつくのですよ」


 僕と目が合わないことで、傷ついたのであれば、愛情を込めて身体を合わせてあげよう。


 「そうなの。それじゃ、僕はこの後、何をすると思う」


 「んんん、胸を触る、と言わせる、おつもりでしょう。でも、違います。〈タロ〉様は、優しく私の手をとって、砂浜まで連れて行かれるのですよ」


 これだから、頭の良い子はやり難いな。微笑みながら、これを言うんだもん。


 砂浜では、〈アコ〉と〈サトミ〉が見ているし、おっぱいは触れないな。

 もう触る勢いが、どこかに行って消えてしまったよ。


 僕は〈クルス〉の誘導どおり、エスコートして砂浜に帰った。

 もっと、許嫁達と、キャピキャピしたかったな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る