第15話

 なんで今ここに奈々子の叔母が来ているのか。告別式ではないの? 

 わたしはちょっと厄介なことになりそうかなと後退りしてたら

「あら、あなた……たしか奈々子の葬式に来てた!」

「は、はい」

 しまった、捕まった。奈々子の叔母はわたしの元に駆け寄ってきた。彼女は喪服を振り乱しわたしに駆け寄ってきた。

「あなたも奈々子の辛さ知ってるわよね!!!」

 彼女の手にはクリアファイルがあってそこからたくさんの紙が落ちた。

 私や周りの人が拾う。すると彼女が


「これ、読んでみてください……うちの姪っ子が夫やその親たちにされたことです!!! ねぇ、どう思う? こんなことされて市役所まで来て訴えたんですよ! なのにシェルターに匿ってもらえなかったのよ?!」

 と、周りの人にその紙を読ませようとするが奈々子の叔母の勢いが凄すぎるのかみんなすぐ紙を渡して後退りしている。


 わたしはさっき奈々子の母から聞いていて書かれている内容とほぼ一致した。


 印刷されていたのは何かネットでの書き込みなのか日付や時間まで書かれていた。


 ……奈々子の口調で書かれたようなもの。ネットでここまで赤裸々に告白していたのか?


 そうか、奈々子はネットで辛さを告白していたと言うわけか。


「ねぇ、ちょっとお話聞いてちょうだい!」

「えっ?!」

 奈々子の叔母に腕を掴まれて引っ張られた。


 まさか1日で奈々子の母、叔母と過ごす羽目になるとは。


 母は遠くからわたしをみて再び手続きをしていた。呑気ね。

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