第33話 ブレードガーディアンズ
「トーマ様、しばらくわたくし達だけでお話させて下さい」
シルフィが啜り泣くなか、ルミアーナ様からそう言われ、何故シルフィが泣き出したのか分からない俺は、この場をルミアーナ様に託してリビングを後にした。
◆
困った。
現代でも女の子と付き合った事がない俺は、女心が分かっていない。ただ、シルフィの鳴き声が悲しみのこもった声だったのは俺にも分かった。
なぜ悲しいんだ? それが俺には分からない。……困った。
「「「イッテラッシャイませ」」」
しばらく時間が掛かるかなと思い、大聖堂の方へ足を運ぶ。
大聖堂の周囲には先ほど作った十体の
この土地は高い土壁に囲まれているとはいえ、大聖堂の中には白金貨七五三万枚の価値がある巨大ダイヤモンドがある。無警戒で放置できる代物ではない。
ブレードガーディアンは両手がブレードになっている戦闘特化型の
更に明日になれば空から来る魔物に対しての対策として、屋根の上に待機させてあるドローンが、浮遊警戒をする予定だ。
ドローンは太陽光パネルによる発電を利用して、イオンクラフトで浮遊できる半永久浮遊ユニットで、プロペラが刃先となっている。ドラゴンは流石に無理だが、ハーピー程度であれば撃退できる筈だ。
俺は無口なブレードガーディアンを横目に見ながら大聖堂の扉を開けた。奥の祭壇に祀られているサセタ神様の元へ歩き、膝をついて祈りを捧げる。
祈りのは勿論、俺たち四人の幸ある未来だ。シルフィがなぜ泣いたのか分からない。だから俺は皆んなと、楽しく、明るく、ずっと四人で幸せに暮らせるようにと、深く頭を垂れて祈りを捧げた。
どれほどの時間が経ったのだろうか。十分か、三十分か分からない。静かな大聖堂にギィーっと扉が開く音が響いた。
「……お兄様」
扉を開けて大聖堂に入ってきたのはシルフィだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます