第3話 自分を信じて進む事
「1年南條入ります」
何度来てもこの空気重い……。って思ったら、何なんだろう。夏でもないのにお祭り騒ぎみたいな……。
「おぉ来たか」
担任教諭の
ちょっと前の私なら、ウザイって言っていた。
ただ宝塚音楽学校ってところは『清く正しく美しく』をモットーにしているもんだから、言葉遣い……直していて損はない。
「何でしょうか」
「牛乳をな、飲むのが駄目らしいぞ」
ポカンとするスミレに、だから身長を伸ばすのに、牛乳は逆効果なんだよ。と言った。
「え――――――――――――――?毎日1本飲んでるよ」
その日の昼休みのメンタルはボロボロだったことは想像に難くない。
足取りも重く何とか教室に戻った。
「スミレ、移動教室だよ。早く行こうよ。日舞、好きっしょ」
「すぐ行くー」
今日は連獅子の練習。私は赤い獅子がカッコイイと思っている。
日舞もすり足の練習が基本になる。
「テンテテンテテテテン、テッテッテッテッテん」
今日廊下に張り出してある成績表、日舞以外はまだまだだ。
「ペアは成績順位だ。並べー」
「私のペアはっと」
キョロキョロしてたらしてたらぶつかった。
「ごめんなさい」
とっさに謝ると上から綺麗な声が降ってきた。
「構わないよ。それよりペアは私だろ?」
噓じゃ――――――――――――――ん。
頭の中で悪魔が囁いた。
「ご愁傷様――」
神様って絶対いないって、思った瞬間だった。
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