第7話 【充電】

ロボ「ご主人、ここから先、予備電力が生きている地域が少ないようデス」


少女「……そっか」


少女「十分充電してから進もっか」


ロボ「ええ、そうしていただけるとありがたいデス」


少女「Heyポンコ、ここから最も近い充電できる施設は?」


ロボ「……」


ロボ「後方500メートル、大型商業施設デス」


少女「昨日泊まったとこか……」


少女「仕方ない、戻ろう」




ロボ「ご面倒おかけしマス」


少女「いいのよ、わたしも話し相手がいないとつまんないしね」


ロボ「フル充電まで、11時間、デス」


少女「出発は明日にするかあ」


ロボ「すみません」


少女「謝んなくていいってば」


少女「さて、と」


少女「あんたが充電している間、なにしてよっかなあ」


ロボ「なにか今後の生活に便利なもの、ないデスかね」


少女「探しに行ってみるか」




ロボ「動物などには十分ご注意クダサイ」


少女「わーかってるってば」


少女「バーナーもあるし、ナイフとかもあるし」


ロボ「いざというときは大声をあげてクダサイね。コードを引っこ抜いてでも駆けつけマスから」


少女「あはは、ありがと」


ロボ「ていうか昨日ご主人が寝ている間に充電しておきべきでしたよね」


少女「ほんまそれ」




少女「さーてと、食料は今のところ十分あるし、サバイバル用品とかかなー」


少女「これより軽くていっぱい入るリュックとかあったら便利なんだけど」


少女「あ、それより服か」


少女「身軽で丈夫で可愛い服探してみよ」


少女「♪」


少女「……ん?」


少女「!?」


少女「きゃ、ぎゃああああああああああああああ!!!!」




ロボ「む、あれはご主人の叫び声!?」


ロボ「すぐ駆けつけなくては!!」


グイグイ


ロボ「む、コードに手が……届かない……」


ロボ「む、むむ」


グイグイ


ロボ「む、これ以上は腕が取れマス……」


グイグイ




……


ロボ「ご、ご主人、無事デスか……」ゼエゼエ


少女「遅いわ!!」


ロボ「なにがあったんデスか……」


少女「なにがあったかはこの際どうでもいいでしょ!!」


ロボ「そういう訳には……」


クマ「……」


ロボ「!?」


少女「……」モジモジ


ロボ「なるほど、このクマの剥製にビビって叫び声をあげたのデスね」


少女「言わなくていいし!!」




ロボ「で、なにか収穫はありましたか?」


少女「あ、そうそう。どうこれ、ポケットいっぱい、身軽、しかも可愛い」


ロボ「おお、新しい服デスね」


ロボ「よくお似合いデス」


少女「あれ、そういうおべっかも言えるんだ」


ロボ「はい、プログラムされていマス」


少女「ぐぬぬ、それはそれでちょっと悔しいな」


ロボ「よく、お似合い、デス」


少女「繰り返すな! 嬉しくなくなった!」




カチャカチャ


ロボ「これは?」


少女「あんたのためのカバン」


少女「これもポケットが多くていいでしょう?」


少女「ほら、こうやってカラビナで固定すれば……」


カチャン


ロボ「おお、ワタシもカバンが持てる、と」


少女「そ」




ロボ「……つまりワタシも重い物が持てる、と」


少女「そ、わたし一人で水とか缶詰全部持つのは、やっぱり重いからね」


ロボ「……なるほど」


少女「さ、今日は休養!」


少女「明日は勢いよく出発するからね! しっかりフル充電しなさいよ!」


ロボ「了解デス」


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