56 仏足石歌


チャレンジシリーズ第2弾は、仏足石歌ぶっそくせきかです。

五・七・五・七・七・七の、極めて珍しいリズムの歌。


名の由来は、薬師寺の仏足石に、このスタイルの歌が刻まれているから。(仏足石って、なに? ……って思いますよね。お釈迦さまの足跡を石に彫って、ありがたやと拝んだものだそうです)

万葉集には1首だけ採録されています。


またまた勝手な解釈ですが、、、

短歌のあとに、おまけで七音を足してできたのが、このリズムなのかな、と。

とすると、最後の6句目は、5句目の七をリフレインするような、あるいはこだまが返事をささやくような文句がいいのでは、と考えます。




 くずね、かれ

  くすくすわらうしのび声

 ぱしゃっ、みず撥ね

  音は絶えたの。みんな滅えたの。


<読み>

くずねかれ くすくすわらう しのびごえ

ぱしゃっみずはね おとはたえたの みんなきえたの




ありがたい仏足石に刻まれた歌だと言っているのに……、だれかが地獄に落とされる姿が垣間見えたような。

くすくす笑いながらを地獄に突き落とすのは、よこしまなあやかしのようにも思えますが、むしろ無邪気で無垢な魂だからこそなのかもしれません。



ともかく、最後の七を、どのように料理するかがこのスタイルの歌の醍醐味なのだと思います。いろんな可能性がありそうで、私はおもしろいと思いました。みなさんも試してみたくなりませんでしたか。


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