45 漢詩
洋上睠落暉
茫茫孤舟漁
何春長
散葩染江
不知所之
遊子猶浮萍
不渟窹寐不息
勿問意
聊且懐故而已
東阜芳菲
春遊與君
今宵月皓皓
飲馬置鞍
行矣
<読み>
洋上に落暉を
何ぞ春の長き
散る
遊子も
意を問う
東阜の芳菲、春、君
今宵、月は
馬に
行か
<現代語訳>
海上の落日を振り返れば、舟の漁しているのが遠くかすかに見える。
春がどうして長いものか。
河口を彩る花びらもどこへ行くかは知れない。
旅人もまた浮草のようなもの。
ひとつ所に留まらず、寝ようと覚めようと心やすまらない。
ふと昔を思い出しただけだ――花咲く
今夜は月が皓皓と照る。
馬に水を飲ませ、背に鞍を置いて、さあ、行くのだ。
今回の詩は、漢詩と呼んでよいのかどうか――甚だ怪しいところです。破調と呼ぶのもおこがましい、決まりごと一切無視の詩。一度こういうのをやってみたかったのです。
学校の教科書にはだいたい五言や七言の格式正しい詩ばかりが載せられますが、漢詩はそんなのばかりではありません。四言、六言、時には途中で字数が変わったり。
ただし、自由なようでいて、そこにはリズムがあるし、ルールもある(らしい)。
五言絶句とか、見慣れた形につくる方がよほど簡単だし安全です。(なんて偉そうに言っていますが、本式の五言絶句は平仄やら韻やらうるさいのを、私は守っていません……)
中国語を解する人から見たら、おそらく「なんだこの美しくない響きは」となるんだろうなとは思ったりしつつ、それでも、敢えてリズムを崩した詩の面白さというのはあるんじゃないかなと思ったのでした。自由律俳句や自由律短歌にも、似た動機があるような気がします。
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