43 俳句(春)


 鴬や

  もいちど鳴くか過ぎるまで


<読み>

うぐいすや もいちどなくか すぎるまで




駅まで歩いていると鴬の鳴き声が聞こえることがあります。

足を止めて聞き入るほどの風流人ではないのです。でももう一度聞けたらいいなとは思う。期待してしまう。

――ここを通り過ぎるまでにもう一度鳴いてくれないかな。


「過ぎるまで」は、ちょっと不自然というか言葉足らずというか。もうすこしぴったりの表現が見つかればよかったのですが、思いつかないままでした。

正確に表すなら「通り過ぎるまで」「行き過ぎるまで」とかでしょうけど、2字以上余るのはなんだか気持ちわるい。負けた気がする(何にだ?)。

ぎる」とする手もあるかな。でも、「通り過ぎる」をつづめて「ぎる」の方が自然な気がします。


こんなとき、皆さんはどうされるんでしょうか。

心地よい音数を優先するか、

意味が自然と通ることを優先するか。


まあ絶対の正解なんてないのかもしれませんが。うだうだ悩んで、うだうだと人と話すのも、詩作の愉しみ……ですよね。


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