23 短歌
急に冷えこみましたね。あったかいシチューが恋しくなる季節です。
特売日つい作りすぎビーフシチュー
肉がごろりん子らがぺろりん
<読み>
とくばいび ついつくりすぎ びーふしちゅー
にくがごろりん こらがぺろりん
幸福に満ち足りた平和な家庭。料理が楽しくて、子供たちはすくすく育って、食卓は笑顔と笑い声にあふれ、家じゅうが温かく明るい。……と、そんな情景を想像してみんなで幸せ気分になりましょう、という歌です。(歌を詠んだ私自身の料理の腕はどうなんだ? とか、そんな画に描いたような幸せな日々を本当に過ごしているのか?? とか、野暮なことを聞いてはいけません)
幸せ感を演出するのに、「ごろりん・ぺろりん」という音はおおいに貢献していると自画自賛してしまうのですが、いかが感じられたでしょうか。
オノマトペをうまく使うと、文章が色づくような気がします。情景を鮮やかに直感できるという意味においても、文章の語感がよくなるという意味においても。
音数が極端に制限されている短歌や俳句なら、文字数が惜しくってオノマトペは出してられない……かと思いきや、そんなことはありません。
ぱっと思いつくところでは、
春の海ひねもすのたりのたりかな (蕪村)
じつに、十七文字のうち六文字がオノマトペ。でもこの十倍の文字数をかけて描写したところで、これ以上ぴったりこの情景を表すことなんてできない、と思いませんか。
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