16 俳句(秋)
短歌において月といえば秋ですが、もちろん季節を問わず空に浮かぶものなので、秋でなくとも詠みたくなることもありますよね。秋以外だと、春夏冬の季節感を出す語をくっつけて季語とするようです。
雲も年じゅう空に湧くものなので、入道雲や鰯雲といった雲ならいいですが、ただ「雲」と詠むだけだと季節は浮かばない。
雲流る雨のあいまの物ぐるい
<読み>
くもながる あめのあいまの ものぐるい
台風が過ぎて、また次の台風の襲来を告げる雲。台風の予告は不安を掻きたてるとともに、非日常にどこか心浮き立たせるところがあります。
胸騒ぎのうちに不穏な物狂いの萌芽がむくむくと育つような心地。
ところが、台風が過ぎ、なんらかの爪痕をのこしたのを見るころには、ふしぎと心が落ち着いています。(この反応は個人的なものかも)
天変地異や大災厄は、人の心に痛烈な打撃を与えて、それがある種の浄化作用につながるような気がします。もちろん、人命を犠牲にしての浄化なんてものをすすんで求めはしませんが。
と、ここまで書いてようやく秋の雲のことだと判るこの句は、やっぱり「季語なし」となるんでしょうね。
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