第七話のタイトルが『生きる』。
本作だからこその、この三文字に救われました。
一時期は『アダルトチルドレン』が流行りましたね。今は、毒親。
私も母に、いろいろ言われてきましたよ。
貧困家庭であったため、母は子供は二人以上は無理、育てられないと考えていました。
やがて長女が生まれ、その次に生まれたのが私です。将来、自分が年老いた時に面倒をみてくれる長男がいない。
なんで生まれてきたのがお前なんだと、
母に罵倒されました。ですが、その言葉に正当性はありますか?
相手を傷つけるためだけに、吐き散らされた暴言の数々。疑って欲しいと思いました。
言われた言葉に、優しさはありますか?
そして私は、なぜこの家に生まれたのだろう。自ら発する問いかけに、生きて答えを見つけます。
筆者様は非常に高い視点から、ご家族の関係性の問題を、的確に述べていらっしゃいます。
自己憐憫ではありません。
今ここにある問題を、問題として捉えて欲しい。向き合ってみて欲しい。
そんなメッセージを感じました。