第17話 夏休みに孫達がやってきた ④ 草取り

 孫達が、夏休みに泊りがけでやってきたのは、嬉しいけれど、その分、やらなければいけないことが疎かになり、それがずっと気になっていました。

それは、畑の草が日に日に伸びているので草取りをする事と、もうすぐお盆がやってくるので墓掃除をする事です。

いずれにしても、この猛暑続きでは、日中に外の仕事はしたくありません。


 そこで夕方、陽が落ちてから1時間だけ、草取りをすることにしました。

すると、孫も手伝うと言うので、小さい布製の手袋をして手伝ってもらうことにしました。


 最初は、家の周りに生えた草取りから始めました。

小学4年のゆあは、途中で

「や~めた!」と言って家の中に入ってしまいましたが、小学2年のゆずは

「しんどかったら家に入っていいよ」と何度か言ったのですが、最後まで付き合ってくれました。

草取りをしていると

「あっ!これはボンド草だ」と言うので、

「へぇ~、よく知ってるね。理科で習ったの?」と聞くと

「図書室の図鑑で見た」と言うので、

「凄いね。よく覚えてたね」と褒めると得意そうに

「ほら、この茎の所から白い汁が出てくるでしょ?だからボンド草って言うんだよ」と教えてくれました。


 実は、私はその草の名前は知らなかったので、後で、ググって調べてみました。

正式名称はコニシキソウといい、どんな隙間にも生え、這うように広がるため踏み付けに強く、茎をちぎると白い汁が出る為、ボンド草と呼ばれることがあると記されていました。

なるほど、茎からボンドのような液が出るんだと感心しました。

 

 更に、それをどれほどの粘着力があるか研究した中学生もいたようです。

木材や紙ではあまり効果を発揮しなかったものの、プラスチックの接着に関しては木工用ボンドよりも強い接着力を発揮し、コニシキソウの乳液と米を混ぜたところ、紙同士の接着力を高めることもできたとの研究結果でした。

孫の一言で、私も色々調べて勉強になりました。


 それから、今度は畑の草取りをした時の事です。

いつもは、草が伸び始めたら、耕運機を使って畑を耕すのですが、あまりにも伸びてしまったので、長い草だけは手で抜くことにしました。

その時にも小学2年のゆずは手伝ってくれたのですが、抜いた草を手箕てみというプラスチックのチリトリに入れて、いっぱいになると、畑の隅に抜いた草を入れるために作った木枠で囲った場所があるのですが、そこへ運んでくれました。これが結構助かりました。

一人でやると、この抜いた草を運ぶために行ったり来たりするのも疲れるのです。

おまけに、色々話をしながらする作業は面白く、草取りも苦になりませんでした。


「草取りをすると手袋をしてても手が凄く荒れるし、かぶれて痒くなって、かいて傷になるんよ」と私が言うと

「カエルに舐めてもらったら、きれいに治るよ」と孫。

「カエルに舐めてもらうの?」と驚いて私が言うと

「のこちゃんは、カエルが苦手だから舐めてもらうのは無理かもしれないけど」と言いながら

「ほんとかどうかわからないけど、まぁ、いい意味での都市伝説みたいなものだけどね」と言うので私は可笑しくなりました。

だって「いい意味で」とか「都市伝説」なんて言葉が、小学2年生の孫から出てくるとは思わなかったからです ( ´艸`)

色んな意味で孫に感心した私でした。


 娘が仕事が休みの時は、我が家に来るのですが、娘も

「私も手伝うよ」と言うので

「暑いし大変よ」と言うと

「いつも子供を見てもらっているんだからこれくらいはしないとね。任せなさい」と言って夕方1時間手伝ってくれました。

今回は、娘と孫に手伝ってもらって有意義な草取りができました。




 

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